新潟県村上市の豪雨災害発生から2週間、高橋市長が被害状況と被災者支援について会見
新潟県村上市の高橋邦芳市長は17日、村上市役所にて記者会見を開き、今月3日から4日にかけて新潟県下越地方を中心に被害をもたらした豪雨災害について、被災状況の報告および被災者への支援などについて説明した。
新潟県北部を中心とした豪雨災害から2週間が経過した。17日時点の村上市の被災状況は、市道で177か所、河川や水路で50か所に被害が発生した。また、桑川港と寝屋港の港湾区域や、瀬波海水浴場などの海岸線約50キロメートルに流木などが漂着。このほか農業関係では、用排水路157か所、農道53か所、農地227か所の被害を確認した。
豪雨により断水となった高根集落と北大平集落の190世帯では、復旧活動により14日に生活用水としての使用が可能となったものの、水の濁りが強く、現在も飲用としての利用は出来ない状態となっている。
また17日現在で避難指示を出している世帯が156世帯(491人)あり、一部の被災者は、村上市が開設した避難所を利用している。避難所はこれまでに、神林地域で1か所(神林中学校)、荒川地域で2ヶ所(荒川中学校、荒川地区公民館)開設していたが、神林地域では17日から神林環境改善センターに、荒川地域では19日から荒川地区公民館の1か所に変更となる。
一方、11日から開始している罹災(りさい)証明書の発行に向けた建物被害認定調査について、16日時点までの進捗と建物被害の内訳を発表した。調査は1,694棟終了し、被害の内訳は、全壊が6棟、大規模半壊が9棟、中規模半壊が99棟、半壊が404棟、準半壊が6棟、準半壊に至らない被害が682棟、無被害が488棟となった。なお、床上浸水は概ね半壊以上で518棟、床下浸水は概ね準半壊以下に振り分けられ688棟に上った。建物被害認定調査は、25日まで実施する予定としている。
罹災証明書の発行については、荒川会場、朝日会場、山北会場の3ヶ所で受け付ける。荒川会場(場所は荒川支所)は23日から31日、9月3日から4日までの期間、朝日会場(場所は朝日支所)と山北会場(場所は山北支所)では、8月25日と28日に申請を受け付ける。なお、罹災証明書の発行申請と同時に、生活再建などの相談も受け付ける。
豪雨災害から2週間。復旧の進捗に対する受け止めについて高橋市長は、「日に日に復旧してきている。みなさんの力を結集していただいて、かなり迅速に進んでいると思っている。ただ、昨日や一昨日の雨によって、またダメージが大きくなっているところを見ると、一刻の猶予もならない」と話した。
また、既に開設している「村上市災害ボランティアセンター」を、17日から設置場所を「神林総合運動公園パルパーク神林」に移転した。ボランティアには14日までの集計で1,337人が参加し、泥の掻き出し作業や片付け作業などを行った。村上市の担当者よると、一日に100人前後がボランティアに参加しているが、まだ復旧の目途は立っておらず、今後も多くの人手を必要としているという。
ボランティアの参加は、神林総合運動公園パルパーク神林にて8時30分から12時まで当日受け付けをしている。なお、ボランティアの参加については、電話025―66-5834で問い合わせることができる。
(文・撮影 中林憲司)
【関連サイト】
令和4年8月3日からの大雨に関する災害情報(村上市ホームページ)