「災害復旧はスピードが大事」谷公一防災担当大臣が3日から降り続いた大雨で被災した新潟県村上市を視察
政府の谷公一防災担当大臣は20日、3日から降り続いた記録的な大雨によって、甚大な被害を受けた村上市を視察するために新潟入りした。谷大臣は、村上市梨木地内の災害ごみ仮置き場などを視察した後、関川村役場で記録的な豪雨による新潟県の被害状況を把握するため、関係者と意見交換会を行った。
3日から4日にかけて前線が停滞し、湿った空気の影響で活発化したことから、大気の状態が非常に不安定となり、県北地域を中心に降水量が統計開始以来の極値を更新するなど、記録的な大雨となり、各地に大きな被害をもたらした。関川村下関では、降り始めからの総雨量が569ミリを記録した。
18日までの大雨による被害は、重傷・土砂災害による骨折が1人(80代男性)。住家被害は、全壊1棟・一部損壊4棟・床上浸水774棟・床下浸水1,100棟となっていて、生活基盤である住宅に多大な被害が発生している。主な公共インフラの被害は19日現在、最大7,300戸で断水(現在も約200戸で継続中。試験通水まで完了)。多くの道路や河川が損傷、土砂や流木が山積している。約2,200か所の農地や農業施設に被害(荒川頭首工など)が出ている。生活に直結するインフラの早期復旧が急務となっている。
荒川多目的グラウンド(新潟県村上市)には、4日まで降り続いた大雨の影響で浸水した住宅などから出た災害ごみを仮置きする場所が設けられている。浸水などで使えなくなった電化製品や畳などが積み上げられた現場を谷大臣は視察した。村上市の高橋邦芳市長がパネルを使用しながら谷大臣に大雨による被災状況の説明をしていた。新潟県の花角英世知事も現地入りし、谷大臣と共に高橋市長から説明を受けた。谷大臣は時折パネルを指差し、詳しい説明を求めていた。その後、谷大臣は村上市小岩内地区にある土石流被害の現場や、甚大な被害を受けた荒川頭首工を車中から視察した。
関川村役場(新潟県関川村)では意見交換会が開かれた。花角知事・高橋市長・関川村の加藤弘村長が参加し、谷大臣に新潟県から国への要望書手交が行われた。意見交換会は、冒頭のみ公開され、非公開で行われた。
意見交換会の終了後、谷大臣は会見を開き、「防災大臣に任命されて、初めての災害の視察だった。災害は現場を見て、現場の状況を地元のかたからお聞きし、何が必要かということを現場で判断することが大事だと思う。実際に被害に遭われたかたともお話をさせて頂き、とにかく早く何とかして欲しいという言葉をもらった。災害復旧はスピードが大事だと思っている。なので、時間軸を念頭に置きながら早く元通りの生活ができるようにしっかり頑張りたいと思う」と話した。