新潟県長岡市から「森塾」を展開する株式会社スプリックスが、世界11カ国の児童の学力と意識調査を実施
新潟県長岡市に本社を置き個人指導塾「森塾」を展開する株式会社スプリックスは17日、同社が運営するスプリックス基礎学力研究所にて、世界11ヵ国の児童・保護者を対象に学力調査と学習に関する意識調査を行った結果、日本の6歳から9歳の児童の基礎学力は11カ国中9位であったことを発表した。
スプリックス基礎学力研究所は、グローバルにおける日本の教育実態を把握すべく、インド、中国、タイ、インドネシア、アメリカ、イギリス、フランス、ポーランド、ミャンマー、日本の計11ヵ国において、6歳から15歳の児童とその保護者、各1,000人、合計2万2,000人に対して、学習に関する「意識調査」と基礎学力を測る「学力調査」を実施した。調査期間は8月から9月。
スプリックス基礎学力研究所は調査で得られたデータを4回に渡り公式Twitterと公式Facebookで配信していく予定である。第1回となる今回は、α世代(2010年代序盤から中盤生まれの、6歳から9歳の児童)の基礎学力や、世界と比較した際の基礎学力における課題が浮き彫りになったという。
日本の低年齢層の基礎学力不足が顕著に
調査の結果特筆すべき点は4点。まず1つ目は、日本の全学年総合の基礎学力が上位であることに対して、α世代が下位となった点。全学年での日本の順位は、中国、インド、インドネシアに次ぎ11カ国中4位である一方、α世代は9位と他の総合正答率上位国と比べて大きな開きがある。特に日本の7歳児に限定した場合は10位となり、低学年と高学年の学力の開きが大きいことが判明した。
日本の保護者の「基礎学力」への必要性認識と危機意識は高水準
2点目は、日本の保護者における基礎学力の必要性認識は95%以上で、世界と比べても高水準である点。保護者への基礎学力への意識に対する調査では、「基礎学力は大切だと思う」と答えたのは、11ヵ国全体で94.3%、日本で95.5%となり、ほとんどの保護者が基礎学力の大切さを認識していることが分かる。さらに、子どもの勉強する上での必要不可欠な要素として日本は96.4%が「基礎学力」と答えており、「応用力」「思考力」などの他の要素と比べてもトップとなっている。世界では78.3%であることと比べても、日本における「基礎学力」の必要性の認識の高さが伺える。
しかし「基礎学力に満足している」のは26.1%となっており、11ヵ国全体の
78.0%より大きく下回り最下位となっている。保護者は基礎学力を11ヵ国中最も重要と捉える一方で、最も満足しておらず、基礎学力に対する危機意識を強く持っていると考えられる。
日本の保護者の学習への関与は11カ国中最下位
一方で、学力向上への努力を行っていると回答した保護者は6割未満で、最下位となったのが特筆すべき3点目。日本の保護者は基礎学力に対する高い危機意識を有する一方、「向上させる努力をしている」と回答したのは58.0%にとどまった。これは、他国と比べて30%ほど低くなっており、基礎学力の向上への意欲とそれに伴う行動との間に壁が生じてい
ると考えられる。実際、子どもの学習への具体的なアクションについて、いずれの関与も11ヵ国中最も低い値を示し、保護者の行動が伴っていないことが明らかとなった。
日本の児童の勉強への関心、自信は欠如
4点目は、「勉強好き」「自信がある」が世界と比べて最も低い点。児童への勉強に関する意識調査において、日本では「計算が好き」と答えているのが57.1%、「読書が好き」と答えているのが53.9%となっている。世界の平均からそれぞれ20%以上低くなっており、勉強への好感度が低いことが判明した。さらに、勉強への自信については、「計算には自信がある」が49.1%、「読解力には自信がある」が30.0%。好感度と同様に、基礎学力への自信が他国と比べて全体的に極めて低い結果となり、児童の自信が欠如していることが伺える。
この結果に対してスプリックス基礎学力研究所の梅田修平所長は、「今回のリサーチは、基礎学力に関する日本の現状を他国と比較することで定量的に把握し、基礎学力不足の問題を抜本的に解決するための具体的な方策を示すべく実施した。結果は、想定以上に日本の由々しき現状を顕在化させるものとなり、特に将来を担うα世代のテスト結果は衝撃をもって受け止めざるをえない。保護者の方々が『意識』があっても『行動』に移せない環境にあり、子どもたちも自信を失っている中、基礎学力を定着させるためには、それを客観的に正しく評価し、目標に向かって効率的に育成することが必要である。そして、このサイクルをまわし、子どもたちに『やればできる!』を体験してもらうことが不可欠と捉えている」とコメントした。
【関連サイト】
株式会社スプリックス webサイト