武蔵野美術大学生が制作した3体のわらアート作品が登場、上堰潟(うわせきがた)公園(新潟市西蒲区)で「わらアートまつり」が開催
新潟市西蒲区は28日、上堰潟(うわせきがた)公園(新潟市西蒲区)にて、「わらアートまつり」を開催した。稲わらを活用して制作するわらアート作品は、新潟市西蒲区と交流のある武蔵野美術大学(東京都)の学生が制作したもので、迫力のある立体作品が公園に訪れた人たちを楽しませている。
「わらアートまつり」は、武蔵野美術大学と新潟市西蒲区が町おこしプロジェクトとして2008年から実施しており、稲わらを使い動物や昆虫など大型でユニークな作品を制作し公園内に展示している。使用している稲わらは、新潟市西蒲区内5つの小学校の学校田のもので、前年に獲れたものを使っている。
今年の作品のテーマは、「よろこびをもたらすもの」。武蔵野美術大学の学生たちが約2ヶ月前から話し合い、テーマを決定した。参加している学生は総勢24人。8人ずつ3つのチームに分かれ作品のデザインや骨組みなどの制作を進めてきたという。
武蔵野美術大学の学生たちは、21日に来県し1週間をかけて「麒麟」「松」「招き猫」の3体を完成させた。2020年度は新型コロナウイルスの影響により中止、2021年度は武蔵野美術大学の学生がコンセプトとデザインまでを考え、実制作は西蒲区のボランティアによる制作となったため、学生たちが来県しての制作は3年ぶり。例年は5体のわらアート作品を制作しているが、コロナ対策により制作する人員を制限したため、今年の作品は3体となった。
それぞれの作品は3メートルを超える大きさで、見るだけではなく、触れて楽しむことができる。この日は、武蔵野美術大学の学生が作品の説明を行い、作品への想いや見どころなどを説明した。
「麒麟」を制作した学生は、「麒麟は降り立った地に喜びをもたらすと言われている神獣です。新潟の地に降り立たせたいと思い作成しました。長い時間をかけてつくり、思いが詰まった麒麟になっています」と話した。
「松」を制作した学生は、「不老長寿の象徴である松の木を作りました。松の木をそのまま作るのではなく、盆栽の形にすることで新潟の豊かな自然とより調和するところが見どころです」と紹介した。
「招き猫」を制作した学生は、「この招き猫は両面に顔がります。左手を上げて米俵を持っている方が人脈をあらわしていて、右手を上げていて小判を持っている方が金脈を表しています。(首についている)鈴が鳴らせるようになっているので、自分が欲しい『脈』の方を鳴らしてみてください。両方の顔の違いを出すことに苦労しました」と説明した。
この日は雨や曇りの天候だったが、親子連れなどが訪れ、記念撮影をするなどわらアート作品を楽しんでいた。「わらアートまつり」は、10月31日まで開催している。
(文・撮影 中林憲司)
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