新潟港が、カーボンニュートラルポート(CNP)検討会の開催地に選定
18日付の新潟県の報道資料によると、国土交通省は、港湾において水素などの次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用を図るとともに、港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成に向け、CNP検討会を開催する6地域の一つに、新潟港を抽出した。
これを受け、今年9月に2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを表明している新潟県などは、地域特性を踏まえた実証プロジェクトの検討や、長期的なビジョン策定を行うため、エネルギー事業者や学識者などを構成メンバーとする「新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会」を設立、経済産業省とも連携して検討を進めていくという。協議会の事務局は、新潟県と関東経済産業局で、来年1月から3月にかけて、協議会を開催し、中間取りまとめを行う予定だ。
併せて、新潟港におけるCNPの形成に向け、港湾関連事業者などを主な構成メンバーとする「新潟港CNP検討会」を国土交通省と連携して開催し、港湾における次世代エネルギーの利活用方策や導入上の課題などについて、検討を進めていくという。事務局は新潟県と北陸地方整備局で、こちらも来年1月から3月にかけて、協議会を開催し、取りまとめを行う予定だ。
一方、新潟東港周辺では、イーレックス株式会社(東京都中央区)が今年11月、ENEOS株式会社(東京都)と共同で、新設としては世界最大級の大型バイオマス発電所に関して事業化を検討することに合意し、環境アセスメントを開始することにしたと発表している。
また、新潟東港周辺にはすでに、
・東北電力株式会社の東新潟火力発電所(LNGなど。出力計481万kで同社最大規模の火力発電所。国内でも3番目の出力。将来的には水素の活用も検討)
・株式会社バイオパワーステーション新潟のバイオマス発電所
・合同会社新潟島見ソーラーパークのメガソーラー「新潟海辺の森ソーラーパーク」(総出力14メガワット強)
・青木環境事業株式会社の産業廃棄物発電施設・フォークリフト用水素ステーション
などがある。
ここに水素の貯蔵施設などが実現すれば、新潟東港一帯はより一層エネルギー拠点として注目を集めることになると言えそうだ。
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