農業や医療など市町村の課題を県と共有、新潟県の花角英世知事と新潟・三条・佐渡ブロックの市町村長が懇談会

新潟県知事と新潟・三条・佐渡ブロックの市町村長懇談会の様子

新潟県は29日、県内各地域の現状と課題を共有し、県と市町村の連携や協力を進めるための懇談会を開催した。懇談会には新潟県の花角英世知事、新潟市の中原八一市長、三条市の滝沢亮市長、燕市の鈴木力市長、加茂市の藤田明美市長、田上町の佐野恒雄町長、弥彦村の小林豊彦村長、佐渡市の渡辺竜五市長のほか、県の新潟・三条・佐渡の各地域振興局長も参加した。懇談会は冒頭を除き、非公開で行った。

懇談会後、花角知事および各市町村長たちが会議内容について説明した。花角知事は、「活発な議論をいただき充実した意見交換会になった。全体的には農業の関係の話が大きな柱であった。次いで道路整備や医療関係、まちづくり関係の話題が中心だった。一方で、県の方からは中学校における休日の部活動を地域に移行していく課題があり、これを各市町村長のみなさんにしっかり認識いただいて、取組みを進めていただきたい思いで説明をさせていただいた」と話した。

新潟市の中原市長は、「新潟市は日本一の水田面積を誇る大農業都市だが、米の価格が下落傾向にあり、農業の担い手も減少していることから、米だけではなく園芸も加え、複合経営を進め、儲かる農業を実現したいと考えている。そのため、県と国としっかり連携をしながら進めて行きましょうお願いをさせていただいた」と話した。

三条市の滝沢市長は、「三条市からは県央基幹病院に関してで、三条市内の国道289号線が慢性的な渋滞している。また、4年後には八十里越が開通し、福島県只見町からの救急搬送で県央基幹病院まで来る。三条市内の渋滞を解消し、県央基幹病院に1秒でも早く着けるようにとお願いをした」と話した。

燕市の鈴木市長は、「県立吉田病院が老朽化していて耐震基準を満たしていないということで、改築が課題となっている。指定管理者が決まったので協議を進め、一日も早く改築ができるように取り組んでくださいとお願いした」と話した。なお、県立吉田病院の指定管理者は、医療法人愛広会(新潟市北区)が指定管理者に決定している。

田上町の佐野町長は、「高齢化による離農がすすんでいる。農業の担い手不足の課題があり、代替わりだけではなく、県外からの新規就農者を求めて行くしかないかと思っている。県からも農業の魅力をPRしていただきたいとお願いした」と話した。

佐渡市の渡辺市長は、「世界遺産が一年伸びたということもあるが、来ているお客様が、今までの見る観光から、自然や文化を体験する観光に大きくシフトしていると感じている。多くのお客様が、美しい里山、美しい自然、そして歴史文化を楽しみにきているので、環境美化から、県、市、企業、市民、県民のみなさんに応援していただいて、一体として作っていく施策を一緒に取り組んで欲しいとお願いした」と話した。

加茂市の藤田市長は、「西洋梨のル レクチエの知名度アップのためのPRをお願いした。果樹農家の高齢化が進み、離農されている方が多く、危機感を持っている。ル レクチエが関東方面や関西方面の人にも知っていただいて、魅力ある果物になると新規就農者になりたいなという人が増えてくれるのではないかと思っている」と話した。

弥彦村の小林村長は、「2つ県にお願いした。1つは国道289号線について、三条市、燕市を通り、そのあと弥彦村を通って長岡市(野積地区)を通って新潟市に行くようなルートを是非実現して欲しいという事。もう一つは、県道新潟寺泊線について。これは計画路線としてあると聞いているので、ぜひ弥彦村までの延伸をお願いしたい」と話した

知事と市長村長がブロック単位で行う懇談会は、今年度で5年目の取り組みとなる。県内を5ブロックに分けて、毎年各ブロック1回ずつ開催しており、今年度は、7月に開催した上越ブロックに次いで2カ所目の開催となった。

新潟県の花角英世知事

(左から)新潟県の花角英世知事、新潟市の中原八一市長、三条市の滝沢亮市長、燕市の鈴木力市長、田上町の佐野恒雄町長、佐渡市の渡辺竜五市長、加茂市の藤田明美市長、弥彦村の小林豊彦村長

(文・撮影 中林憲司)

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