新潟県上越市の上教大附属中学校で財務教育の特別授業実施
財務省関東財務局新潟財務事務所は21日、新潟財務事務所の職員が講師となり、財務教育プログラムの特別授業を新潟県上越市の上越教育大学附属中学校で行なった。
新潟財務事務所地域連携推進・広報オフィサーの遠藤正樹さんが講師を担当し、少子高齢化社会で社会保障費が増大する一方、国債が増えていることなど、国の財政が厳しい状況にあることを説明した。なお、この日は、3年生108人を対象にしたが、新型コロナウイルス感染症対策として講師は別の部屋からリモートで発信し、生徒は各教室の大型モニターで見るという形式で行った。
遠藤さんは、警察・消防で国民一人当たり4万2,000円、信号機を1機作るために240万円から470万円の費用がかかると話し、中学生に身近な話題を出して公共サービスの必要性を説明した。
また、現在の国の歳出と歳入は約103兆円で同じ金額になることを説明し、歳出では社会保障費が36兆円で約3割を占めること、次いで国債の返済などが23兆円で約2割を占め、ほかに地方交付金が16兆円となることを説明した。地方交付税は、新潟県では刈羽村と聖籠町以外の自治体は交付を受けていると話した。
歳入については、所得税、消費税、法人税などで64兆円のほか、国の土地の賃貸や売買で7兆円となり、不足分の32兆円は借り入れをしていると説明した。
令和2年度も新型コロナウイルスの影響を受けた事業所などに支援金を給付するため、借り入れを行った。このため、国の借金は964兆円となり、1人当たり765万円となっていることも説明した。
遠藤さんは「どうやって社会保障を維持し、どのように公共サービスを使えるようにするかを一人一人が考えることが大切」と話していた。
遠藤さんの講義の後、教室ごとにグループワークを行い、生徒たちは独自の財政健全化策を考えてそれぞれに発表を行った。
新潟財務事務所では例年、中学生に日本の将来を考えてもらおうと、新潟市や長岡市の新潟大学附属の小中学校で財務教育プログラムの授業を行っているが、今年は新型コロナウイルスの影響があり、この日の開催が今年の第1回目となった。来年1月には新潟大学附属長岡小学校で実施するほか、来年3月までに他に1校での開催が決まっている。