JA越後中央が、いちじくのさらなる産地化に向けた取り組みを来年スタート。新規就農者などに生産技術を伝授、土地のリースも

JA越後中央

いちじくは、血圧降下、健胃、便秘、肝臓病などに良いといわれる健康食品だ。新潟県のホームページによると、紀元前2,000年にはすでにエジプトで栽培されていたといわれ、日本には17世紀に中国から伝わり、新潟では明治初期に栽培が始まったといわれている。9月下旬から11月まで収穫が続くという。

そのいちじくの栽培面積が県内1位で、県内産地出荷量の70%を占めるJA越後中央(新潟市西蒲区)が、いちじくのさらなる産地化に向けた取り組みをスタートさせる。具体的には、いちじく棚を作るための土地(最大2ヘクタール)を借りるとともに、生産技術などを伝授する塾を開催し、若手の新規就農者などに、いちじく栽培を始めてもらう。来年春に土地(場所)を選定するとともに、塾をスタートさせ、その後、約7,000万円をかけ、土地の造成工事などを行い、11月には苗木を植える計画だ。

現在、JA越後中央管内には、およそ100名のいちじく生産者がいる。JA越後中央を通じて出荷(県内7割、県外3割)していて、出荷額は昨年が1億400万円、今年が1億3,000万円だったが、まだまだ需要は多い。また、いちじくは、他の園芸品目と比べて、栽培が比較的用意なことから、新規就農者を開拓し、いちじく栽培のさらなる振興を図っていくことにした。「(新規就農したい若者は)見つけられていないだけで、足元にはたくさんいるはず」(JA越後中央)と話す。

その新規就農を促すのに、重要な役割を果たすのが、「生産技術の伝授」と「土地のリース」。

JA越後中央ではいちじく栽培関連の補助金がすでにあるが、それでも、それなりの初期投資が必要となることから二の足を踏む人がいるなど、新規就農のハードルの一つに高額になりがちな初期投資があるといわれる。こうした中、(いちじく棚や水の設備が整った)土地をリースすることにより初期投資大幅に抑えて新規就農ができるようにする。

一方、新規就農者にはJA越後中央のいちじく部会の副会長(元JA職員)が講師を務める塾を通じて、栽培秘術なども伝授。卒業した人に、土地をリースし、いちじく栽培を始めてもらう。なお塾は、今回の取り組みとは別になるが、今年すでに開催されていて、新規就農を目指す若手など5〜6名を対象に、十数回にわたり開催し生産技術などを伝授した。

一人の労働で、いちじくの栽培管理が行える面積は最大で一反(0.1ヘクタール)といわれ、この一反を生産すると150万円の販売が見込める。「新規就農した人には、収穫時にパートを雇用するなどして、栽培面積を拡大していってほしい」と話していた。

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