【特集】雪国新潟の企業が勧める除雪・積雪対策用品
新潟県内は昨年12月中旬から降雪が続いており、特に年末年始は日本海沿岸部でも多くの積雪が確認された。2018年、2019年は暖冬であったことから、久しぶりの除雪作業に腕を痛めている人も多いだろう。
そこで今回は、三条市で除雪用品を企画・開発する株式会社コンパルを取材し、ユニークな除雪用品や、同社が勧める雪対策グッズについて話を聞いた。
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コンパルは1982年創業。冬季は除雪・雪対策商品を、春季はガーデニング用品や防鳥用品などを主力としている。同社では除雪作業には欠かせないスノーダンプやスコップから昔ながらのかんじきまで幅広い雪対策商品を発売しているが、特に今冬は「2020年12月中旬の降雪予報が出始めた時点から各種除雪用品の売り上げは暖冬だった昨年・一昨年の売り上げを圧倒的に上回るペースで伸びている」とコンパルの担当者は語る。
コンパルで発売しているオリジナルの商品の一つが、「TATAMU・ダンプ」である。大量の雪を運ぶことができるスノーダンプは、除雪作業においてスコップ以上の効果を発揮する一方で、大型であることや「く」の字型の形状から収納性に問題があったが、折りたたみ機能と伸縮式の持ち手を搭載することでそれを解決した商品だ。
一方、比較的少量の雪へ対する商品として発売しているのが「除雪ホーキ」で、これはポリプロピレン製の硬い毛を高密度で束ねることで雪や凍結を「払う」独特な除雪用品である。
さらに、直接除雪作業に関わる用品ではないが、水草で編んだ滑り止めマットの売り上げは特に好調だという。水草の吸水性を利用すると同時に、従来ゴム製だった同様の製品と比べて庭の景観にも合わせやすい点が評価されているようだ。
燕三条のアウトドア製品などを取り扱うECサイト「村の鍛冶屋」を運営する株式会社山谷産業によると、昨年12月中旬に発生した関越道の渋滞直後には、大雪への危機感や対策意識の高まりから、前述の滑り止めマットや、同じく水草で作られたタイヤの緊急脱出用マットが売り上げを急増させたという。
他にも、2、3年前からは尿素を主成分とした融雪剤が売り上げを伸ばしている。この融雪剤は、従来の塩化剤と異なりコンクリートや金属への腐食や植物への影響が少ないことが特徴で、自動車や庭への影響が懸念される自宅周りでの使用も使用できる。
コンパルが「力を入れている商品」として挙げたのが、車載用除雪用品だ。コンパルwebサイト「冬のカー製品」に掲載されている商品は22点。携行用に作られたコンパクトな形状に車種や用途別に使い分けできる多様性が、車社会である新潟県の需要に合致する。コンパル担当者は「既存の除雪商品では競合相手が多いため、こうした少し変わった商品の開発は意識している」と語った。
コンパルの商品は、地元燕三条の金物屋を中心に展開し、一部商品はホームセンターでも発売されている。県内は今週末から再び強烈な寒波に見舞われると予報されており、自宅だけでなく、外出先への駐車時や、急な大雪による渋滞などにも対応できるよう万全な備えを心がけたい。(文:鈴木琢真)
【関連リンク】
株式会社コンパル webサイト
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