東京商工リサーチ新潟支店が「2020年12月度の新潟県の企業倒産件数」を公表
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は6日、「2020年12月度の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)」を公表した。
それによると、2020年12月度の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は5件で、負債総額は610億7,300万円だった。
倒産件数は、前年同月比で66.7%増(2件増)、前月比で150%増(3件増)。12月度として、1962(昭和37)年の集計開始以来59年間で53番目、1990年以降の31年間で29番目となった。
負債総額は、前年同月比で9,457.6%増(604億3,400万円増)、前月比で17,349.4%(607億2,300万円増)。過去59年間、1990年以降の31年間ともに最大となった。
産業別では10産業のうち、「製造業」が3件、「建設業」、「サービス業他」が各1件だった。原因別では、「既往のシワ寄せ」が3件、「他社倒産の余波」、「その他(偶発的原因)」が各1件だった。
形態別では、「民事再生法」、「特別清算」が各2件、「破産」が1件だった。業歴別では、「30年以上」、「20年以上30年未満」が各2件、「10年以上20年未満」が1件発生した。
地域別では、「新潟市」が2件、「長岡市」、「三条市」、「燕市」で各1件発生。
大型倒産(負債総額10億円以上、※この記事下に記載)が2件発生した。
新型コロナウイルス関連倒産はなかった。
主な倒産としては、株式会社ダイヤメット(新潟市東区)と、子会社の株式会社ピーエムテクノ(同)が東京地裁に民事再生法の申請を行った。負債総額は2社合計で603億9,700万円、ダイヤメットが577億9,000万円、ピーエムテクノが 26億700万円。
ダイヤメットは2005年12月に三菱マテリアルの子会社として設立され、粉末冶金法を用いた焼結機械部品、焼結含油軸受、軟磁性材部品その他の粉末冶金製品などの製造を事業に、自動車向け部品を主体とした製品製造を行ない、ピーク時の2008年2月期に売上267億6,500万円を計上していた。
しかし、その後、自動車向け需要の緩やかな縮小を背景に売上は減収推移にあり、2020年3月期には200億6,700万円にまで低迷していた。さらに、2016年に不適合製品の出荷などに関する問題が発生し、その対応と体制整備に多額の費用を投じたこともあり、以後、大幅な赤字を計上し続け、債務超過の状態となっていた。
その後も親会社の追加出資などで資金支援を得ていたが、2020年9月にはエンデバ・ユナイテッド株式会社(東京都)の組成するファンドに全株式売却を発表、12月に株式譲渡がなされ、増資や役員人事異動も行なわれていた。しかし、多額の金融債務を抱える中での自力再建は難しいとの判断から、今回の事態となった。
一方、ピーエムテクノは、2000年2月にダイヤメットの生産子会社として設立され、自動車用焼結部品の製造を行なっていた。しかし、同社と一体の経営であったことで連鎖する形となった。