東京商工リサーチが「2020年の新潟県の企業倒産件数」を公表

東京商工リサーチ資料より

株式会社東京商工リサーチ新潟支店は6日、「2020年(1月~12月)の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)を公表した。

それによると、2020年(1月~12月)の新潟県の企業倒産件数(負債総額1,000万円以上)は74件、負債総額は747億5,000万円となった。

倒産件数は、前年比7件減(8.64%減)となり、1962(昭和37)年の集計開始以来59年間で56番目、1990年以降の31年間では最少の31番目となった。また件数としては3年連続での減少となった。

負債総額は、前年比619億8,000万円増(485.35%増)で、過去59年間で13番目、1990年以降の31年間では10番目となった。負債総額10億円以上の大型倒産は5件発生した。

産業別では、10産業のうち「製造業」が20件、「サービス業他」が18件、「卸売業」、「小売業」が各11件、「建設業」が7件、「農・林・漁・鉱業」、「不動産業」、「情報通信業」が各2件、「運輸業」が1件だった。新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、酒類販売などの小売店や飲食店、アパレル関連事業など行動自粛による影響から企業活動の停滞に陥った企業など、消費者に近い業種の倒産が目立ったうえ、こういった先へ商品を納入する卸売業者の倒産が見受けられたという。

市郡別では、「新潟市」が最多の17件、「上越市」が10件、「長岡市」が9件と続いた。

原因別では、「販売不振」が46件、「既往のシワ寄せ」が20件、「他社倒産の余波」、「その他(偶発的原因)」が各3件、「信用性低下」、「売掛金等回収難」が各1件発生した。

形態別では、「破産」が最多の55件、「特別清算」が11件、「銀行取引停止」が5件、「民事再生法」が3件発生した。

東京商工リサーチのレポートでは、「新型コロナ感染拡大の影響に対する国や自治体などによる各種支援策の実施効果が倒産件数を抑制させた主たる要因となった。ただし、大型倒産の発生や、特別清算の発生が増加したという面も見られた」と分析している。また「改善が進まず塩漬けとなっていた既往の負債の処理や、第二会社設立により事業を継続継承させ、再スタートを切るための処理としての清算型の倒産が目立った」という。

一方、、新型コロナ感染拡大に伴う緊急避難的な貸出が、企業倒産の抑制に効果をみせているが、一年で最大のかき入れ時である年末年始の売上消失影響が出ている飲食業や、「GoToトラベル」の一時停止により回復を期待した宿泊業や観光事業、その他感染者数再拡大で緊急事態宣言再発令対象となりそうな東京都ほか近隣県などの再度の行動自粛影響が、消費マインドや前向きな経営判断を鈍らせる可能性が考えられるという。

こうした中で、必死で経営を維持してきた経営者の心が折れることも懸念されるという。

東京商工リサーチ資料より

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