自然の恵みを活かした新しいグルメ料理で町おこし、新潟県阿賀町で「阿賀町大ピンチフェス」が開催
新潟県阿賀町の町おこし団体「あが町おこし実行委員会」は23日から25日までの期間、えちご四駆村(新潟県阿賀町)において、地元産のジビエや日本酒などを振る舞うイベント「阿賀町大ピンチフェス」を開催した。晴天に恵まれた25日は、200人を超える来場者があり、大自然の中で阿賀町のグルメに舌鼓をうった。
阿賀町は県内でも特に過疎化が進んでいる地域で、40年間で人口は半減。高齢化率においては昨年50%を超えた。「阿賀町大ピンチフェス」は、そんな阿賀町を盛り上げ、多くの人に足を運んでもらおうと企画したもので、阿賀町で獲れたイノシシやシカのジビエ、地元産食材を使用した鍋料理、地元酒蔵の日本酒などを無料で振る舞うイベントだ。
阿賀町ではイノシシなどによる農作物への被害が多く発生している。イノシシを捕獲して駆除してしまうのであれば、ジビエとして楽しみ、町おこしに活かそうという発想に至ったという。炭火で焼いたイノシシやシカのジビエを食べた人は、「全然クセがなく、食べやすくておいしい」と話していた。
また、新潟駅前の居酒屋店「奥阿賀の郷 山姥」が監修し、阿賀町の新しい名物料理として誕生した「じねだんご汁」を振る舞った。阿賀町で多くつくられている自然薯(じねんじょ)を使用した団子、阿賀町産の7種のきのこ、三川とうふ、三川あげが入り、味付けには山崎糀屋の味噌を使用している。今後、阿賀町で通年提供できる鍋料理として定着させていきたい考えだという。
このほか、「阿賀町酒の陣」と題した阿賀町の酒蔵による日本酒の振る舞いや、阿賀町三川地区の新米おにぎりの振る舞いを行ったほか、DJブースが音楽で会場内を盛り上げた。
さらに会場内には、丸焼きにしたイノシシの展示や、イノシシを捕獲する檻が置かれ、訪れた人は珍しそうに眺めたり、記念撮影をしたりして楽しんでいた。
えちご四駆村代表で「あが町おこし委員会」の黒田篤委員長は、「とにかく来て欲しいという思い。最終目的は移住者を増やすことだが、増やすためには知ってもらわなければいけない。まったく新しい角度からお客様を集客しようと開催した。ジビエは阿賀町の新しいグルメとして打ち出していきたい」と話した。
(文・撮影 中林憲司)