北里大学(東京都)と日本大学(東京都)における新潟県と市町村が連携した「医学部地域枠・修学資金貸与制度」を発表

(左から)佐渡市の渡辺竜五市長、村上市の高橋邦芳市長、南魚沼市の林茂男市長、糸魚川市の米田徹市長、小千谷市の大塚昇一市長、新潟県福祉保健部の松本晴樹部長

新潟県は26日、北里大学(東京都)と日本大学(東京都)の令和5年度医学部地域枠として、新潟県と5市が連携した「地域枠・修学資金貸与制度」を設けることを発表した。新潟県県と5市が連携し、医師不足が顕著な市町村の医師確保に向けて取組みを進めて行く。

新潟県と連携して「地域枠・修学資金貸与制度」を設けるのは、佐渡市、村上市、糸魚川市、小千谷市の5市。北里大学の連携先および配置先は、佐渡市の佐渡総合病院、村上市の村上総合病院、南魚沼市の南魚沼市民病院で、各1人。日本大学の連携先および配置先は、糸魚川市の糸魚川総合病院、小千谷市の小千谷総合病院で、各1人。2大学合わせて、5市5病院に5人の地域枠を設けた。なお、対象となる診療科は、内科、外科、総合診療科、小児科の4つとなる。

「地域枠・修学資金貸与制度」により入学した学生には、県と対象市町村より、医師養成修学資金として3,660万円を貸与する。勤務期間の条件は、9年間の勤務のうち修学資金を負担した市町村に5年間勤務する必要がある。条件を満たすことで、大学での学費負担が実質的にほぼかからずに修学できる制度となる。

新潟県は、人口当たりの医師数に高齢化などを加味した指標「医師偏在指標」において、令和2年公表値によると、全国で47位。また、新潟県内の7医療圏のうち、新潟市を含む新潟県域以外は、全てが医師少数区域に位置づけられており、全国的にも厳しい医師不足の状況にある。

県と市町村の連携による「地域枠・修学資金貸与制度」について、新潟県福祉保健部の松本晴樹部長は、「私立大学だと新潟県の奨学金は2,000万円少しあるが、それだけでは必ずしもリーズナブルにならない。そこで、市町村と連携し、さらなる奨学金を出すという事で、どんな家庭からでも志望いただける枠になる。これにより受験者を確保することと、各市町村の医師確保の促進を図っていく」と説明した。

佐渡市の渡辺竜五市長は、「佐渡市は離島であり、医師の偏在性は大きな課題。解決のしようがなかなか無かった課題を、今回このような形になったことに、大変喜んでいる。しっかりと若い医師が集まる医療機関にしながら、将来的な医師確保と医療の持続可能性を高めていくというところで、ひとつの大きなチャンスだと思っている」と話した。

南魚沼市の林茂男市長は、「魚沼地域全体でみると、全国の中で一番の医師確保が困難地域といわれている。医師不足は極めて深刻の問題で、最大の課題として医師確保を奔走していた。これから医師を目指す方々が、我々と結びつき、成長していただき、当地に根差した医師になっていただくことを期待して、研修制度体制にこれまで以上に力を入れていきたい」と話した。

新潟県福祉保健部の松本晴樹部長

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