コジマタケヒロのアルビ日記2022 Vo.16 舞行龍ジェームズ 「愛する新潟のために」
途中加入となった19年は15試合。20年は38試合。21年は36試合。そして、今季はここまで25試合(第38節終了時点)に出場。千葉和彦選手とともに新潟の最終ラインに鍵をかける役割を担っているのが、闘将・舞行龍ジェームズ選手。
彼は、本当に闘っているという言葉がよく似合う。
相手のカウンターを防ぐ、寄せからのスライディング。
相手をいなす切り返しからのロングパス。
味方を鼓舞する存在感あるコーチング。
「新潟の守備の強度が終盤戦になってきて間違いなく上がってきた。その要因は、競争の激化。トミー(トーマス・デン)が復帰してきたことによって、さらに高いレベルでのスタメン争いが始まりました。練習からみんなが自分のいいところを見せたい、チャレンジしたいという気持ちでプレーしていて、それがチーム内にいい流れを呼んでいます」
体調不良やけがが重なり、昨季よりも出場機会は減ってしまった今季。しかし、その存在感はむしろ昨季よりも増しているようにすら思える。
「個人的にもJ1に対しての想いは強いし、自分がまだ通用することを証明したいと思っています。もちろん、息子たちにJ1でやっている姿を見せたいという想いもあります。特に長男は、カテゴリーの違いを分かってきているみたいで、最近は常に順位を気にするんです。俺がサッカーをやっていることを覚えていてもらいたいなと思うし、J1という日本最高峰のリーグでプレーしている姿を見せるため、なんとしてでも今季J1に戻ります」
大きな体格。鋭い眼差し。
最初はどう話していいものか、正直戸惑いもあった。
でも、取材を重ねるごとに、僕の舞行龍選手に対する印象は変わった。
誰よりも熱く、優しいその姿に触れるたび、彼に心が惹きつけられていた。
「トミーとは、英語で話しています。お互いに英語で話すことで出せる感情というものがあるんです。その感情を出せることで、話に対する理解も高まり、プレーに対する集中力も高まります」
「若い選手たちは、特にプレッシャーを楽しみながら、この経験をかみ締めながら、ビビらないでチャレンジすること。ベストを尽くすことが大事。絶対にいい経験になるはずだから」
ベテランといわれる年齢。
立ち居振る舞いで示せるだけの経験や実績もある。
見せる厳しさとその裏にある愛情。
「セットプレーからの得点でチームに貢献したい。愛する新潟に恩返ししたいです」
08年、プロサッカーキャリアをスタートさせた場所、新潟。
その場所のために、あと何度、歓喜の瞬間を演出してくれるのか。
残り試合はあとわずか。
でも、闘将自らの、愛あふれる得点に期待せずにはいられない。
◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート
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