新潟南消防署(新潟市南区)が大型油圧カッターなどを用いた交通救助訓練を実施

 

新潟南消防署(新潟市南区)は30日、南区地内で「交通救助訓練」を実施した。この訓練は、車両の変形による閉じ込め、挟まれ、下敷きなどといった「交通救助事案」に対応するため、実車を使用した救出要領および車両破壊技術訓練を実施し、効率効果的な救助活動取得することを目的としている。

28日現在、新潟市全体の救助出動件数は126件。このうち、交通救助事案は63件で、全体の約50パーセントを占めている。事案種別では、「交通事故」事案による出動件数が例年最も多くなっている。

また近年は、自動車の安全性の向上などにより、人体が挟まれるという事案などは年々減少傾向にあるが、車両構造などが複雑化してきており、破壊箇所の選定や高電圧の遮断状況の確認など、高度な知識や救助技術が求められているという。

そのため今回の訓練は、事故の影響で運転席に要救助者が閉じ込められたという想定の元で実施。大型油圧カッターなどを用いてドアを切断し取り外す訓練や、フロントガラスを特殊な工具を用いて切断し取り外す訓練などが行われた。

車内から救助者に見立てた人形を救出する様子

大型油圧カッターでドア部分を切断

訓練に参加したのは南消防署員15人。監督役の署員の指示に真剣に耳を傾けながら、切断状況の確認を行い、大型の器具を操作していた。

南消防署によると、車両の繊細な破壊技術は実際の過去の救助活動から得られた経験や知識をもとに伝えられており、ケースバイケースの救助活動の現場で柔軟に使用されているという。

訓練に参加した新潟南消防署の杉本直人救助隊長は、「ハイブリットや電気自動車になってくると、また安全管理のやり方が変わってくる。1つ1つ確認しながらやっていかないといけないので、(実際の現場では)パッと見て、車種を判断しなくてはいけない。そういうことが、これから大切な要素になってくる」と話した。

つづけて、「救助事案の半分ぐらいが、交通救助事案なわけなので、しっかりと適切に、今回の経験も踏まえて、現場対応につなげていきたいと思う」と語った。

フロントガラスを特殊な工具を使い切断

車の天井部分を剥がす様子

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