新潟市の「ほんぽーと」で『好きから始めるはじめての起業』セミナー開催
ほんぽーと新潟市立中央図書館(新潟市中央区)で16日、起業を検討している方向けの無料セミナー「『好き』から始める はじめての起業」が開催された。セミナーの講師は、新潟市の外郭団体である(公財)新潟市産業振興財団(I.P.C財団)の統括プロジェクトマネージャーの百合岡雅博氏が務め、参加定員30名の本セミナーはほぼ満席となった。
セミナーの冒頭で新潟県内における起業状況や、I.P.C財団独自で集計した起業動向を説明し、参加者一同に起業についてのイメージを膨らませた上で、「好き」という気持ちから始める起業のあり方をレクチャーした。
百合岡氏はまず、起業したいと思う『好きなこと』について深く掘り下げることを教えた。「起業を考えるきっかけになったその好きなことは、『仕事の経験がある・無し』で分類され、更にこれから始める事業を、『生計を立てることを目的』とするか、『副業(お小遣い程度の収入)を目的』とするかで、創業時に考えるべきことが変化する」(百合岡氏)と話す。
更に百合岡氏は、「好きなことだが、その分野の仕事経験のない状態で起業したいと考えている方には、一度バイトでも良いので、その分野の仕事感を経験することをお勧めしている。やはり何も知識のない状態での起業となるとかなりハードルが高い。好きなことを仕事(=お金をもらう)にできるかをしっかりと意識しながら、『好き』から得たノウハウや知見を活用して創業に向けて取り組んでいくことが重要だ」と話した。
他にも、起業するメリット・デメリットについてや、資金繰りに関する話し、具体的な創業事例、ビジネスでの図書館の活用方法等、約90分に渡って起業に関する講説を行った。
セミナー後、マインドフルネス講師業で創業を目指す40歳代の女性参加者は、「今までは副業的な感じで起業をしたいとぼんやり考えていたが、やらなければいけないことが明確になった。これを機に具体的にもっと事業案をつめていきたい」と話した。
また、コンセプトカフェについての起業に興味がある30歳代の男性参加者は「好きなことを仕事にしたいという気持ちがあり、具体的ではなかったものの起業という選択肢は視野にあった。今回様々なお話を聞いて、前向きに起業を考えてみたいと思った」と話した。
実際に起業を進めているという鍼灸師の30歳代女性は、「起業をする上で、何から考えていけば良いのかわからなかったが、今回のセミナーでやるべきことや考えるべきことが明確になった。起業のメリット、デメリットのお話は聞けて本当に参考になった」と話した。
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新潟県の創業率は全国と比べても非常に低い水準にある。新潟市はこうした状況を打破しようと様々な取り組みを行っており、本セミナーも創業率を上げるための、市の取り組みの一つだ。本セミナーのように、起業に関する不安を取り除くような活動が、今後どのように新潟を変えるのか注目だ。