新潟県湯沢町で雪室貯蔵による検証試験を開始

雪室

新潟県湯沢町の越後湯沢温泉観光協会は1月5日より、地域産品を使った新たな産業に向けた雪室貯蔵による検証試験を開始した。この検証は、越後湯沢を中心とした雪国観光圏エリアの地域産品を5日より雪室に貯蔵し、約2ヶ月の保存を経て付加価値が付くか否か検証を行い、本事業期間中に実証で作成した雪室商品を湯沢町内にて展示し、消費者の関心や購買意欲、購入価格等について意見を集約するというもの。なお、この事業は観光庁「あしたのツーリズム」の一貫で実施しているという。

検証試験には、既存の資源を活用した新たなビジネスモデルを構築することで、リアルな観光客の来訪だけではない新たな産業への可能性を図る狙いがある。

2009年から約10年の取組により、新潟・群馬・長野の3県7市町村にまたがるスノーエリアが形成されていることの認知は国内外に知れ渡ってきた一方、新型コロナウイルスの影響により国内外の観光客が減少し、新たな生活様式を織り込んだ、雪国文化の未来を描くことが必要になっている。そこで今回の事業は、これまでの地域産品に加え、雪室貯蔵と相性のよいと思われる産品や加工品を雪室に貯蔵することにより、旬を外したシーズン外での商品提供や市場に出回りにくい商品の提供も可能にしていくことを目指していくという。

越後湯沢温泉観光協会の事務局長・杉山光洋氏は「新型コロナウイルスの影響により越後湯沢エリアでも観光産業に大きな影響を受けた。コロナ禍の厳しい状況だからこそ、観光地域づくりを進める時だと感じている。まずは雪室を利用した地域産品の付加価値向上によって、生産者や事業者の収益力アップ並びに地域ブランドの確立を目指したい」とコメントした。

雪室は、一般的に90%以上の高湿度で摂氏1度程度の低温を保ち、年間を通じて庫内の温度変化も小さい特徴を持つ。電気振動がなく光や乾燥による食品への影響が少ないため、鮮度を保ち美味しさを向上させる手法として雪国では長く親しまれてきた。

◎実証実験 概要

実施期間:2021年1月5日〜2021年2月後半
実施場所:体験工房大源太(新潟県南魚沼郡湯沢町土樽6399ー1)
検証商品:湯沢産玄そば、木津醸造味噌と醤油、津南ポーク、白瀧酒造の上善水の如し生酒
検証方法:遊離アミノ酸、脂肪酸度、ピログルタミン酸、香り等の検証

【関連リンク】
越後湯沢温泉観光協会公式サイト https://www.snow-country-tourism.jp/

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓