【再掲載】新体制から2年、さらなる事業拡大を目指すフラー株式会社(新潟市中央区)(上)
アプリやウェブ開発などデジタルにかかわる支援を事業とするフラー株式会社(新潟市中央区)は、2020年10月、創業者である渋谷修太氏が代表取締役会長に、山﨑将司氏が代表取締役社長にそれぞれ就任した。さらに同年11月には、登記上の本社を新潟市に移転し、柏の葉本社(千葉県)と新潟本社の2本社体制をスタートさせた。
新体制となり2年。まもなく創業11周年を迎えるフラーの「今とこれから」について、渋谷会長と、伊津惇(あつし)CTO(執行役員最高技術責任者)に話を聞いた。
新たなフェーズに入ったフラー
——渋谷会長、山﨑社長の共同代表の体制となり2年。あらためて、新体制の理由や目的をお聞かせください。
渋谷会長 一つは、会社の規模が大きくなって、人数が増えてきた段階で、マネジメントがとても重要になってきました。僕はどちらかというと、外に出てトップ営業したり、PRしたりといった、渉外活動の方が得意なタイプです。
そういった中で、当時COO(最高経営責任者)だった山﨑が、社内をマネジメントする社長に適任だと思いました。社内のマネジメントは山﨑に完全に任せて、自分は得意なことに集中するといった役割分担的な意味合いと、もう一つは、新潟と柏の葉の2本社体制にしたので、新潟は僕が、柏の葉は山﨑がという分担の形という側面もありました。
——新体制となり2年が経とうとしていますがいかがですか?
渋谷会長 いい感じなんじゃないですかね(笑)やはり元々創業期からのベンチャー型で、事業の方向性がどんどん変わったり、ピボットしたりと、柔軟性がすごく大事でした。しかし、今のフェーズだと事業基盤もしっかりして、採用で人数を増やして着実に成長させていくっていうところで、それはとても山﨑が得意です。本当に今のフェーズに適していると思います。
——伊津CTOは2021年にCTO(最高技術責任者)に就任されましたが、渋谷会長との出会いや入社からこれまでの経緯をお聞かせください。
伊津CTO 入社のきっかけは、フラーが新潟オフィスを開設したことがきっかけです。渋谷とは長岡高専の同級生なのですが、卒業してから渋谷は関東へ行き、私はずっと新潟にいました。
やはり新潟というのが自分の人生の中でもキーワードだと思っていて、新潟でずっと働いていたいという想いがありました。フラーが2017年1月に新潟オフィスを開設すると聞き、見学に行きました。当時県内の別の会社で働いていたのですが、見学に行ったらフラーで挑戦してみたいという気持ちになったので入社しました。
それまでは組み込み系のプログラミングをやっていて、アプリ開発やIT系の事業に対しては詳しくはなかったのですが、挑戦してみようと決断しました。
渋谷会長 高専時代からよく知っていましたし、プログラミングが出来ることも知っていたので、僕の中では、「来るべきだよね」と思っていました(笑)
新潟オフィス開設当時は数人で、その時も伊津くんが責任者的な感じだったのですが、今は全社的な技術部門のCTOです。新潟の人からしたらすごいロールモデルだなと思いますし、夢がある感じがしていいなと僕は思います。
——伊津CTOは2017年に入社し約4年でCTOに就任されましたが、このタイミングでの就任理由は?
伊津CTO 会社のフェーズが変わってきたというところが一番の理由です。私がCTOになる頃、会社規模の大きいお客様が増えてきました。そういった中で、社内の統制もそうですし、フラーの技術力を着実に伸ばしていかなければいけないというタイミングでした。
それまで私がクライアントワークをメインに行ってきて、そこで全般的に観てきたこともあって、CTOに適任ではないかと相談を受け、引き受けました。
——渋谷会長からみて伊津CTOの強みをどう見ていますか?
渋谷会長 しっかりしている(笑)どちらかというと創業期は精神力とか技術選定とかがあるが、今のフェーズではマネジメントや人とのコミュニケーションが重要となっています。そんな中で、伊津くんがいいよねとなりました。
——会社のフェーズが上がり、伊津さん自身がプレーヤーからマネジメントにシフトしたということですか?
伊津CTO はい。最初のころはマルチプレイヤーが多く、1人でなんでもやってしまう集団でした。しかし最近では、職種が分かれ、分業化が出来てきて、エキスパートの方がとても豊富にいます。そういった方を前面に押し出していく、もっと働きやすい環境にしていくというところで、マネジメントは重要な部分であると思っています。
フラーが次に目指すフェーズ
——フラーが次に目指すフェーズは、どのようなイメージを持っていますか。
渋谷会長 そうですね。次に目指すフェーズに関しては、組織の採用面に関係していくと思っています。今まではどちらかというと、転職系の人材が多くて、中途で採用していたのですが、最近は新卒採用を増やしています。
伊津CTO 事業を拡大していく上で、人員が一番重要な要素になってくると思っています。今、IT業界では人の取り合いが過熱していて、特に東京にある会社では給与レンジという面においてもすごく上がっています。なので、中途での転職市場においては、なかなか人材が出てこない状況です。さらに、決まっても回転が速く、すぐ辞めるということが多いです。
そんな背景があり、正直苦戦しているところがあったので、今は新卒採用に挑戦しているところです。
——新卒の採用状況はいかがですか?
伊津CTO 今年は7人です。来年は、エンジニアだけで9人が内定しており、全体で15人。2倍以上の採用を見込んでいます。
渋谷会長 今後は事業の安定性をますます高めていくっていう中で、会社へのエンゲージメントが大事になってきます。安定的に人材の供給がないといけない。そのような中で、新卒を採用していくという、大きくはそのフェーズになっていくんだと思います。
【インタビュー・後編】は、8日に公開いたします。
(文・撮影 中林憲司)
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