【妻有新聞】40代男性未婚4割迫る、人口減少深刻 2020年国勢調査調べ 出生数に直結、決め手欠く各自治体
人口減少への抜本的な対策に決め手を欠き、各自治体では政策の一番に「人口対策」を上げる。その事態が2020年国勢調査で明らかになっているが、その人口対策に直結する『未婚率』は驚くべき数値を示している。25歳~29歳の未婚率は、例年高い数値を示すが、以降の30代、40代の未婚率が急上昇している現実は、今後の人口減少対策にも直結する実態になっている。
妻有新聞社は2020年国勢調査データを基に十日町市・津南町・栄村の未婚率をまとめた。30代の未婚状況は3自治体とも男性が多く、30代~34歳男性では十日町市57%、津南町48%、栄村41%で、十日町市は2人に1人以上が未婚だ。さらに35歳~39歳男性では十日町市40%、津南町35%、栄村65%となっている。
さらに深刻度を増すのは、40歳~49歳の男性未婚率の高さ。十日町市は33%、津南町31%、栄村32%と3人に1人以上が未婚という実態が明らかになっている。このデータは2020年国勢調査のため、現状はさらに数値が上がっているものと思われる。
十日町市は2015年に「婚活」をアドバイスし支える女性専任職員とサポーターによる「ハピ婚サポートセンター」をクロステン4階に開設し、市内勤務者を含む未婚男女の登録制で運営し、設立から360人余が登録し、20組を超える成婚が誕生している。
一方、津南町は2020年3月まで活動した『しあわせ応援隊』の事業を取りやめた。「イベントもほぼ同じ顔ぶれで、一般住民が応援隊委員では限界性がある。専任的な職員で本格的な取り組みが必要」と、住民委員による活動を止めた。その後、町では特別な取り組みは行っておらず、人口減少対策の根幹となる津南町の未婚対策は、具体的な取り組みは現状ではない。
栄村は地域の世代間交流を進め、未婚者同士の交流や栄村と親善交流する村外地域との活動交流などを通じて、「出会いの場」づくりに取り組んでいる。
2020年国勢調査データが示すのは、この先の人口推移でもある。移住・定住対策を並行して進めているが、自治体人口の根幹となる「出生数」は婚姻率に直結する。この未婚率の高さは、この地域の人口減少がさらに進むことを示唆しており、自治体のさらなる本気度が問われている。
【妻有新聞 2022(令和4)年8月13日号】