デンカ(株)、糸魚川市の「新青海川発電所」の送電を開始
デンカ株式会社(:東京都中央区)は29日、新潟県糸魚川市内に新たな自家水力発電所として竣工した「新青海川発電所」の送電を開始した。
同社は、環境に配慮したクリーンエネルギー利用拡大および事業基盤強化のため2014年1月に新青海川発電所の建設を決定。建設にあたっては、長期安定操業や台風・集中豪雨などの自然災害に耐えられるよう、最新の遠隔操作機能の導入や発電所設備の高強度化を図り、関係官公庁や地元関係者の協力・支援のもと、約6年間の工期を経て完成した。発電所の稼働により年間約1万3,000トンのCO2排出量削減に繋がる。また、発電した電力はFIT制度のもと約20年間電力会社へ販売した後に自家電力として使用する予定という。
100年以上にわたり自家水力発電所を運転してきた同社は現在、新青海川発電所を含む自社水力発電所を姫川流域、青海川流域に計16ヵ所保有している。全自家水力発電所合計で最大出力12.6万kwの能力は民間企業では国内屈指の規模であり、約17万世帯の電力に相当する。さらに、同社と北陸電力株式会社との共同出資会社である黒部川電力株式会社を通じて同市内に「新姫川第六発電所」(2022年4月送電開始予定)の建設も進めており、稼働後は年間約2万2,000トンのCO2排出量削減に貢献し、自家水力発電所合計の最大出力は14.0万kwとなる見込みである。
同社はSDGsを羅針盤に、2050年までに温室効果ガス排出をネットゼロとするカーボンニュートラル実現に向けてクリーンエネルギーのさらなる利用拡大を検討している。様々な環境保全・保護に関する取り組みを進め、地球環境に配慮した企業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくという。