帝国データバンク新潟支店、新潟県内の「無借金企業」調査結果を報告

株式会社帝国データバンク新潟支店は、新潟県内の「無借金企業」調査結果を公表した。調査は、2019年1月期から2020年9月期までの新潟県内企業3,132社の財務データを用いて新潟県内の無借金企業を抽出するとともに、業種別、売上規模別、地域別などの分析を行った。

調査結果によると、2019年1月以降における決算書上の負債項目(短期借入金、長期借入金、1年以内返済長期借入金、社債、1年以内償還予定社債)がゼロの企業は新潟県内に566社あった。

調査対象企業3132社中の無借金企業の比率は18.1%で、前回調査(17.1%)を上回り、全国47都道府県別の順位は第7位(前回調査時も第7位)と引き続き全国的に上位に位置している。また、その潤沢なキャッシュを持つキャッシュリッチ企業(現金・預金+有価証券ー有利子負債)/総資産×100=20%以上の企業)は458社判明した。なお、無借金企業の比率は、10年前13.0%(2009年1月期〜同年12月期、無借金社数753社、対象者数5138社)と比較し上昇している。(キャッシュリッチ企業は10年前:519社、5年前:600社)。

業種別の無借金社数は、「建設業」(275社、構成比48.6%)が最も多く、以下「卸売業」(91社、同16.1%)、「サービス業」(74社、同13.1%)、「製造業」(67社、同11.8%)などが続いた。

売上規模別の無借金社数は、「1億円〜10億円未満」(287社、構成比50.7%)が最も多く、以下、「10億円〜50億円未満」(121社、同21.4%)、「1億円未満」(115社、同20.3%)、「50億円〜100億円未満」(23社、同4.1%)、「100億円〜500億円未満」(18社、同3.2%)、「500億円〜1000万円未満」「1000億円以上」(1社、同0.2%)と続いた。

売上規模別

県内地域別の無借金社数では、「新潟市中央区」(96社、構成比17.0%)が最も多く、以下「新潟市東区」(47社、同8.3%)、「長岡市」(42社、同7.4%)、「上越市」(34社、同6.0%)が続いた。

県内地域別

なお、全国47都道府県の無借金社数は、「東京都」(6260社)が最も多く、以下「大阪府」(2712社)、「北海道」(1888社)などが続き、「新潟県」(566社)は14位(前回13位)だった。

全国47都道府県別

無借金企業には、設備や人材ほかへの投資など事業のさらなる拡大に向けてはやや慎重すぎる側面は否定できず、積極的な取り組みが求められるケースもあるという。一方で、利息の支払いや借入金の元本返済などの必要がなく、資金繰りがスムーズになる強みがあるほか、取引先からの信用が高まること、円滑な事業承継が可能であることなど様々なメリットも併せ持つ。

一方、新型コロナウイルス感染拡大が無借金企業にあたえる影響については、2020年4月に緊急事態宣言の範囲が全国に拡大され、新型コロナウイルス感染拡大による商環境の変化が大きく反映されたとみられる2020年6月以降の財務データをみると、無借金企業の比率は15.5%と、全調査期間(18.1%)を2.6ポイント下回る結果となった。しかし、この比率は前回調査の同時期に比べ大きな変化はなかった。コロナ禍にあって商環境が悪化し、新型コロナ対応融資など国の企業に対する資金繰り支援対策を利用する企業は多いが、無借金企業については必ずしもこれに当てはまらず、無借金企業への新型コロナウイルスの影響は今のところ限定的といえる。

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