(株)エー・スミス(新潟市)の破産手続開始が決定、県内12番目の新型コロナウイルス関連倒産
婦人服小売業の株式会社エー・スミス(新潟市中央区、設立1988、資本金3,500万円、鹿野彰社長、従業員8名)は1月22日、新潟地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人には、佐藤充弁護士(髙野泰夫法律事務所、新潟市中央区)が選任された。負債総額は約1億5,000万円。
1983年2月に現代表により鹿野商事株式会社(鹿野彰社長、現在は持株会社)として設立、衣料品の販売を開始。1988年12月に衣料品販売部門を分離独立させるために、新たに設立された。古町商店街内にてインポート婦人服を主要取扱とした直営店「KELLY」のほか、デパート内にて、有名セレクトショップやアクセサリー店などの販売代行を行なうなど、一時は4店の運営を行ない、2007年1月期には3億6,601万円の売上を計上していた。
比較的高額の商品を扱っていたが、ファストファッション業界の台頭から安価な商品へ消費需要のシフトが進み、販売は年々縮小が見られるようになっていた。減収と同時に赤字決算も続いていたことから、直営店の閉鎖や移転、販売代行契約をしていたアパレルブランドとの契約解除なども行ないながら事業のスリム化を進め、2020年1月期には売上は1億3,946万円まで縮小していたものの、黒字決算にまで改善が進んでいた。
しかし、それ以後の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、出店していたデパートの一時休業の影響や消費者の外出自粛などから販売は縮小が進み、業況は大きく低迷し、事業自体の回復の見通しも立たないことから、今回の措置となった。
新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは12件目となる。