「直江津の駅弁は全国トップレベル」鉄道フォトジャーナリストの櫻井寛氏が新潟県上越市で鉄道をテーマに講演
直江津鉄道振興会(新潟県上越市)は15日、鉄道開業150年・直江津駅開業136年記念鉄道講演会を上越市のホテル「ハイマート」で開催した。講師は、世界95か国を取材した鉄道フォトジャーリストの櫻井寛(かん)氏が務め、市民ら約60人の聴衆が集まった。
えちごトキめき鉄道株式会社の鳥塚亮代表取締役社長は冒頭の挨拶で、「昭和47年の鉄道100年は東京でよく覚えている。弊社のリゾート列車『雪月花』の昨年度の売り上げはコロナ前の2019年度と同じになった。鉄道がある直江津は素晴らしいところ。これからの鉄道200年に向けて、後輩たちにどうやって引き続くのかが大事だ」と話した。
櫻井氏は、自身が海外で撮影した写真スライドを使用しながら、世界初の鉄道は港町から始まり、日本初の鉄道も新潟県初の鉄道も港町から始まったと語った。
櫻井氏は、「世界初の鉄道はイギリスで1825年に開業した。今年で発祥から197年を迎える。イギリス・ロンドンではレールが4本で、大昔の方式が使用されており、近代化されないのもロンドンの特徴だ。インフラが100年、200年前で、架線を引くことができない。しかし、株式会社日立製作所がロンドンオリンピック時に輸出した車両が走っている」と話した。
一方、アメリカについては、「もしかしたら、イギリスよりもアメリカが先に開業していたかもしれないくらい進んでいた。アメリカでは日本の鉄道開業前の1869年に大陸横断鉄道が繋がった」と話した。
また、日本については、「日本ではイギリスから47年遅れて、1872年(明治5年)に新橋―横浜間が開通した。今、直江津にはD51(デゴイチ)がある。直江津には駅弁があるが、私は駅弁が大好物だ。直江津には全国でもトップレベルの駅弁が売られている。直江津に来たら私は必ず鱈めしを食べる。日本は新幹線の国だと思う。直江津にも新幹線が来て、青森にもアクセスがよくなってほしい」と語った。
櫻井氏は日本大学芸術学部写真学科卒。出版社写真部勤務を経て、1990年に独立。著書は共著を含めて100冊を超える。東京交通短期大学客員教授。