相川車座が北沢浮遊選鉱場(新潟県佐渡市)で「ミライノキタザワVol.2」を開催、史跡を彩る圧巻の光景
新潟県佐渡市相川地区で活動するまちづくり団体・相川車座(新潟県佐渡市)が主催するイベント「ミライノキタザワvol.2」と「ランタンフェスティバル」が15日、北沢浮遊選鉱場(新潟県佐渡市)にて開催された。飲食ブースの出店や芸能ショーやワークショップが行われたほか、佐渡初となるランタンフェスティバルには200人以上が参加し、幻想的な光景が来場客を楽しませた。
相川車座が主催する「ミライノキタザワ」は、10年後の相川に住民が増え、子供たちがたくさん遊んでいる未来の姿を想像し、その様子を実現させようという想いのもと企画したイベントで、今回が2回目の開催となる。会場は、佐渡市相川地区の人気の観光名所で国の史跡である、北沢浮遊選鉱場および周辺施設を利用し開催した。
飲食ブースでは、佐渡島内外から11店が出店した。佐渡産食材を使ったスープ、特製ちゃんこ鍋、酒粕を使用したスイーツなどが販売され、早々に売り切れとなる商品が出るなどの盛況ぶりを見せていた。また、今年7月にオープンしたカフェ「北沢Terrace」も営業し、店内からイベントの様子を眺めて楽しむ人の姿が見られた。
ワークショップでは、佐渡の伝統工芸品の無名異焼(むみょういやき)を製造販売する北沢窯(新潟県佐渡市)が、無名異焼の箸置き作り体験を行ったほか、伝統文化と環境福祉の専門学校(新潟県佐渡市)がヒノキをつかった箸作り体験を行い、参加者は真剣な表情で取り組んでいた。
また、芸能ショーでは、地元ダンススタジオに所属するチームのダンスや、夫婦でタップダンスをおこなう「佐渡タップ」などが出演したほか、佐渡の伝統芸能「鬼踊り」の披露も行った。芸能ショーのトリには、太鼓芸能集団の「鼓童」が登場し、観客を魅了する圧巻の太鼓パフォーマンスで、会場を沸かせた。
イベントのフィナーレではランタンフェスティバルを行い、事前申し込みをした200組が参加した。赤、オレンジ、緑、紫の4種類のLEDライトが光るランタンが用意され、受け取った参加者の中には、ランタンに願い事を書く人も見られた。アナウンスの合図と共に、ランタンが一斉に空に上がると、ライトアップされた北沢浮遊選鉱場をバックに幻想的な光景が広がった。
佐渡市相川地区から家族で訪れた男性(40歳代)は、「これまでコロナでなかなかイベントが開催されませんでしたが、小さい子もたくさんいて、楽しめていいイベント。ランタンはテレビで見ることがあったのですが、子どもたちが実際にやることができてよかった」と話した。
ミライノキタザワvol.2を終え、相川車座で今回のイベントのチームリーダーを担当した原田光氏は、「第1回目のミライノキタザワは、相川車座という団体を知ってもらうイベントでした。今回のミライノキタザワvol.2は、とにかく相川を思っている団体であるということと、相川車座に任せてもらえればたくさん人を集めて面白いことが実現できるということを示せたかなと思います。相川に期待して可能性を感じている住民と、相川車座とが上手くクロスできたイベントだったと感じました」と語った。
今後、相川車座では、かつて金山の炭鉱関係者が多く住んでいた地区「京町通り」を中心に行うイベント12月に「京町お江戸まつり」を予定している。また、相川地区で活用されていない空き家を活用し、まち全体をテーマパークのような観光地とする「相川まちごとミュージアム(仮名称)」の構想を掲げ継続的な活動しており、地元住民、行政機関、企業などを佐渡島内外から巻き込んで推進させている。
(文・撮影 中林憲司)
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