新潟県三条市と新潟県行政書士会が災害時における支援協力に関する協定を締結
新潟県三条市は18日、新潟県行政書士会と災害時における支援協力に関する協定を締結した。県行政書士会ではこれまでにも新潟県と同様の協定を締結していたが、各自治体と連携を強めることで災害時により迅速な対応が可能となる。
今回の協定では、三条市で地震や風水害が発生した場合、県行政書士会は市の要望に基づいて、市民が作成した罹災証明書申請書類の事前確認や、給付金などに関する相談窓口の開設といった支援業務を実施することが盛り込まれた。同様の協定は新潟県、政令指定都市である新潟市と結んでいたが、そのほかの県内自治体では初。
新潟市以外の自治体とは県との協定で網羅する形となっていたが、窓口の設置や各種制度の案内の周知不足を感じる面もあったという。そこで、県行政書士会三条支部から各自治体ごとの協定締結の提案があり、今回の締結式に至った。
なお、三条支部では県との協定以前の2004年7.13水害の際にも地元で相談業務を実施していたほか、直近では新型コロナウイルス感染拡大初期にも市役所内で相談窓口を開設しており、すでに市との協力の地盤が整っていたことも大きい。
三条市では前述の7.13以外にも、2011年の7.29水害など何度も水害を経験してきた過去がある。三条支部の榎本龍馬支部長は「水害になると、自動車の税金はどうなるのか、廃車にするにはどうしたらいいのか、など自動車関連の相談がとても多い。また、仮設住宅へ入るためにも行政の手続きが必要となる」と話す。今後、市との連携でこうした相談へのより迅速かつ手厚い対応の実現を狙う。
18日、三条市役所で行われた締結式では、滝沢亮市長と県行政書士会の相羽利子会長が出席。
滝沢市長は「三条市はこれまでにも、ほかの自治体と災害時における相互応援に関する協定や、民間企業、関係団体と物資供給や応急復旧に関する協定を締結してきた。今回の協定では、市民からの相談に専門家が協力してもらうことになるもので、大変心強い」と話す。また、現在行政書士会とはマイナンバー発行の相談でも協力しており、「今回の協定を契機にさらに信頼関係が増すと思う。また色々ご相談させていただければ」と期待を語った。
相羽会長は「7.13水害の時にもいち早く三条市、見附市、中之島町(現長岡市)で相談業務をしていた。その時を起点にして、当時の被災者生活再建支援法をもっと使い勝手のいいものにするべきだと国に提案もした。県と防災協定を結んだが、できればこのように各市町村と独自に結ぶことで、より手厚くお手伝いできるのではないかと思う」と話した。