デンカ(東京都)がSCG Chemicals社(タイ)とアセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社設立に向けた契約を締結
デンカ株式会社(東京都)は20日、SCG Chemicals Public Company Limited(タイ、以下SCGC社)と、アセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社設立に向けた契約を18日に締結し、同日調印式を実施したことを発表した。
デンカのアセチレンブラックは、導電材料であるカーボンブラックの一種で、アセチレンガスの熱分解によって製造される。デンカは独自の熱分解合成技術により、金属、硫黄等の不純物が極めて少なく、超高純度かつ高い導電性を実現しており、次世代車(xEV)のリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブル用途で使用され、近年需要が急拡大している。
デンカは現在、国内外合わせて3拠点でアセチレンブラックの製造を行っており、急増する需要への対応策として新たな製造拠点の設立をかねてより計画していた。契約締結先であるSCGC社は、アジア有数のコングロマリット企業である「Siam Cement Public Company Limited」を母体に持ち、アセアン地域を代表する総合化学企業だ。SCGC社の豊富で安定したアセチレンガス原料の供給能力と、デンカの高純度なアセチレンブラック製造技術、および販売ネットワークを組み合わせた合弁会社の設立により、本製品のさらなる生産や販売体制強化に努めていく。
合弁会社設立後に両者共同で立ち上げる製造設備は、年間約1万1,000トンの生産能力を予定しており、2025年初の生産開始を見込んでいる。なお、新会社の詳細は今後SCGC社と協議の上、決まり次第知らせるという。
デンカは、「xEV」「5G」を中心とした環境やエネルギー分野を事業戦略における重点分野の1つに位置付けており、今後もSDGsを羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指していくという。
なお、アセチレンブラックの製造販売を行う合弁会社は、所在地をRayong Province(タイ)とし、出資比率はデンカ60%、SCGC社が40%。新会社の名称や代表者など、その他具体的内容については今後両社協議の上で決定する。
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