新潟県胎内市で「村上市・胎内市沖における洋上風力発電に関する説明会」が開催
新潟県は7日、胎内市内で「村上市・胎内市沖における洋上風力発電に関する説明会」を開催した。
県では、村上市・胎内市沖における洋上風力発電の導入の可能性や課題について、「洋上風力発電導入研究会 村上市・胎内市沖地域部会」を設置して検討しており、その一環として地元の人々に洋上風力発電について広く知ってもらおうと説明会を開催した。
説明会では新潟県産業労働部産業振興課が、村上市・胎内市沖における洋上風力発電の検討状況などについて説明。それによると、風力発電は地球温暖化対策につながったり、これからの主力電源になる可能性があったりすることに加え、地元経済へのメリットがあるという。経済メリットについては、風力発電は、風車基礎、タワー、ブレードなどの発電設備の部品点数(約1〜2万点、※自動車の場合で約1〜3万点)が多く、関連産業への経済波及効果があるほか、メンテナンスや地元港湾の活用などが期待できる。また新たな税収も期待できるという。
こうした中、県では、村上市、胎内市、漁業関係者、海運業者、電力会社などで構成する「洋上風力発電導入研究会 村上市・胎内市沖地域部会」をこれまで4回開催し、(促進区域を指定し、事業者を公募し、その事業者に十分な占用期間を保証する再エネ海域利用法に基づく)「導入促進エリア」の検討などを行なってきた。今年3月までに国に促進区域の指定について要望を行うことになっている。
その後、(促進区域指定の前段階になる)「有望な区域」に選定された場合、関係者で構成する協議会を設置し、利害関係の調整を進め、促進区域の指定を目指す。さらに、その後、事業者の公募選定、事業者による環境アセスメントの実施、建設工事、運転開始と進んでいくことになる。協議会の設置から運転開始までは10年程度かかる模様だ。
なお洋上風力について国では、2030年までに1,000万kw、2040年までに3,000〜4,500万kwを目指している。こうした中、先述の再エネ海域利用法が2019年4月に施行されて以降、長崎県五島市沖が促進区域に指定され、昨年6月に事業者の公募を開始したという。村上市では協議会設置もこれからで計画は未定だが、着床式になる方向で、規模は35万キロワット以上になることが予想されているという。
一方、説明会では質疑応答の時間も設けられ、「運転開始までに10年かかる計画だが、短縮してほしい」「地域住民に丁寧に説明していくとしているが、これまでにいつ説明を行ったのか」「洋上風力の運転開始後にトラブル(環境問題、漁業問題など)が発生した場合に止められる仕組みを作ってほしい」などという質問や意見が出ていた。
このうち、「地域住民に丁寧に説明していくとしているが、これまでにいつ説明を行ったのか」については、「令和元年に村上市・胎内市沖地域部会を設立し、開催して話し合った内容を公開してきたほか、11月に村上市内でフォーラムを開催した。また村上市や胎内市ではホームページで情報を提供している」と話していた。