新潟県村上市で国内初のグレーンウイスキー専門のクラフト蒸留所「吉田電材蒸留所」が火入れ式を執り行う

産業機器の設計・製造や医療機器の設計・製造を行う吉田電材工業は、3月30日に村上税務署からウイスキー製造免許の交付を同管内で初めて取得。クラフト規模で日本初となるグレーンウイスキー専業の蒸留所を26日に設立した。

「グレーンウイスキー」とは、原料が大麦麦芽100パーセントの「モルトウイスキー」と違い、様々な穀類(コーンやライ麦など)を原料とし精製するウイスキーの種類の1つ。原料になる穀物の種類によって様々な味わいが楽しめるのが特徴となっている。

2021年度は日本酒を抑えてウイスキーは輸出量1位なっていて、国内ウイスキーの出荷量は直近10年で2.5倍の増加をみせている。また、日本には約50のモルトウイスキーの蒸留所があり、グレーンウイスキーを専門にしたクラフト蒸留所は、今回設立した「吉田電材蒸留所」が国内初になる。

蒸留所内の様子

「吉田電材蒸留所」は、企業ミッションとして高い品質の「ジャパニーズウイスキー」の製造を目指している。「ジャパニーズウィスキー」とは、日本洋酒酒造組合によって定義づけられている日本産のウイスキーの肩書である。条件としては、「原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水にかこと。なお、麦芽は必ず使用しなければならない」や「糖化・発酵・蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は95度未満とする」など複数の基準を満たしたものが、「ジャパニーズウイスキー」と定義づけられている。

設立された蒸留所は、年間100キロリットルの生産能力があり、日本の一般的なクラフト蒸留所の生産量の2.5倍となっている。瓶で計算すると年間で約13万本生産が可能。蒸留器はドイツのKOTHE社製を使用しており、日本では珍しいハイブリッド蒸留器が設置されている。

ウイスキーが熟成されて、製品として世の中に出回るには、3年の月日が必要とされており、「吉田電材蒸留所」製のウイスキーが流通されるまでは3年後の月日が必要だという。

予定されている商品のラインナップは、主原料をコーンとしたバーボンのような風味の製品となる予定だという。今後はコーンに限らず、様々な原料と樽熟成プランでウイスキーを製造し、想像性とチャレンジ精神に富んだ製品を計画し、流通させていく予定だという。

吉田電材蒸留所の松本匡史(こうじ)代表取締役社長兼蒸留所所長は、「世界には様々な原料を使ったウイスキーがある。当社では、モルト以外の原料をウイスキーにすることで、ジャパニーズウイスキーの幅を広げたいと思っている。そういった思いで、グレーンウイスキーを選択した。どんな穀物でもウイスキーにできるというのが当社の最大の特徴なので、日本の地域に根差した特徴的なウイスキーを作っていきたい」と話した。

吉田電材蒸留所外観

吉田電材蒸留所の松本匡史(こうじ)代表取締役社長兼蒸留所所長

火入れ式の様子

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