「雪害からみんなを守って」、アオーレ長岡で除雪出動式が開催

除雪出動式の様子

11月を目前に控え、今年も雪国にとっては試練の冬が近付いてきた。新潟県長岡市は、海岸部から山間部までの市域を有する。そのため、同じ市内でも例年、積雪量に大きな差がある。長岡市では地域に応じてきめ細かな対応を行うため、9つの地区に分割し、地区除雪代表業者によるパトロールを実施したうえで、地区ごとに除雪の要否を決定している。以前は、除雪オペレータの出動する際、除雪本部へ出動の電話連絡を行っていたが、度重なる「出動忘れ」や「二重連絡」などのトラブル、住民からの苦情・要望等を避けるため、平成 20年度より「除雪出動管理システム」を導入した。このシステム導入により、除雪オペレータの出動管理を行い、人為的なミスを大幅に減らすことによって、より効率的な除雪作業を行うことが可能になった。

26日、アオーレ長岡ナカドマ(長岡市)では、今年も除雪出動式が開催され、市長や除雪業者などを含むおよそ80人の市民が参加した。

長岡市の磯田達伸市長は、訓辞のなかで、長岡市にとって除雪は重要な課題である一方、近年では除雪技術の継承や後継者の育成などが課題になっているということを指摘し、その場に集まった除雪業者に「テクノロジーを駆使しながら、安全できめ細やかな、丁寧な除雪をお願いします」と要請した。その上で、「長岡市も全力で頑張ります。ともに頑張っていきましょう!」と、除雪業者と一丸となって全力で除雪に取り組む姿勢である。

除雪業者代表である田辺永茂さん(株式会社田辺建設)と小林哲志さん(有限会社大津土建)の2人は、壇上にあがり、磯田市長に一礼すると、事故を起こさず安全に除雪することを誓った。

会場にはこしじ保育園(長岡市浦)の園児たちが制作した除雪応援旗が掲げられていた。同園児たちによるきつねダンスと「除雪がんばって~」という応援メッセージがスクリーンに流されると、会場は大きな拍手に包まれた。

その後、タイヤショベルによるデモンストレーションが行われ、道路パトロール車、凍結防止剤散布車を含めた3台が意気揚々と出発していった。

少し離れたところから同出動式を見守っていたのは、南部保育園(長岡市)の3人の園児と2人の保育士である。散歩中、皆で市役所の水槽の鯉を見ようと通りかかったところ、ちょうどよいタイミングで出動式に遭遇した。そのうちの1人、小林裕子さん(40代)によれば、「(一緒にいた園児たちは)車好きな子どもたちなので(終始)興奮していた」という。

大雪やゲリラ豪雪に苦しめられている地域の子どもたちにとって、除雪作業で活躍する除雪オペレータは、人々を雪の苦しみから救うスーパーヒーローである。颯爽と目の前を走り去る除雪車の姿に、園児たちは眼をきらきらと輝かせていた。

昨シーズンの除雪の出動日数はほぼ例年並みとなっている。長岡市では今年度、除雪車440台態勢でおよ1500キロメートルの道路を除雪する見込みである。

長岡市の磯田達伸市長(中央)

街中へと出動するタイヤショベル

こしじ保育園の園児の皆さんが制作した除雪応援旗。もみじ園の紅葉やスノーフェスティバルの雪の様子がデザインされている

(文・撮影 湯本泰隆)

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