新潟燈火会が設立総会を開催
長寿企業の知恵を学んでイノベーションにつなげていく活動を展開
全国第4位となる1200社近くの“100年企業”が存在する新潟県――。そんな長寿企業の知恵を学び、イノベーションにつなげていくことで企業の成長、地域経済の発展をめざそうと、新潟燈火会が発足。18日、新潟市のホテルイタリア軒で設立総会(キックオフイベント)が行われた。
代表世話人は6名で、吉乃川株式会社(創業1548年)の峰政祐己氏、株式会社行形亭(創業は江戸中期)の行形和滋氏、株式会社玉川堂(創業1816年)の玉川基行氏、鍋茶屋(創業は1846年)の高橋すみ氏、株式会社加島屋(創業は1855年)の加島長八氏の5名が総会で挨拶。また船江大神宮(1700年以上の歴史)の池田弘氏がビデオメッセージで挨拶した。
またキックオフイベントでは、株式会社山本海苔店の山本泰人副社長の基調講演も行われた。山本海苔店は初代の山本徳治郎氏が1849年に東京・日本橋で創業。「暖簾は守るものではなく、磨き育てるもの」「伝統は日々の革新」「不易流行」などという言葉が示す通り、守るべきものを守りながら、挑戦してきた企業といえる。例えば、千葉道場に通う中で山本鉄舟氏(※)と親しくなった2代・山本徳治郎氏は、明治天皇の京都還幸の際の御所方への「東都(東京)土産」のために、世界で初めて「味附海苔(関東の醤油で味付けした海苔)」を開発するなど、いまでいう大きなイノベーションを行っている。また、寿司、蕎麦、佃煮用など用途別に海苔をランクに分けるという画期的な取り組みも行い、「のりは山本」といわれるまでに同社の礎を築いた。
同社ではこれ以外にも、「世界初のドライブスルー」をオープンさせたことがあるほか、現在でも時代に即した商品づくり(おつまみ海苔など)に取り組んでいる。
(※)剣と禅の達人で、江戸の無血開城に大きく貢献。明治天皇の侍従などを歴任。西郷隆盛氏は山岡氏を「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ」人物と評した。また勝海舟氏などと並び「幕末の三舟」と称される。山岡氏が建立した全生庵には安倍総理も座禅にときおり通っているのは有名。
なお新潟燈火会では今後、
・講師を招いて長寿企業の知恵を学ぶ勉強会(例会)
・会員相互の親睦を図る交流会
などを行っていく。
会員は、以下の3種類。
・正会員(新潟県内に事業所を置き、創業から100年以上経過している企業)
・準会員(新潟県内に事業所を置き、創業から75年以上が経過し100年に達していない企業)
・個人会員(正会員や準会員に該当しない経営者やメイ映写を目指す人)
会費は1万2000円。問い合わせは、新潟燈火会事務局(ホテルイタリア軒内、電話025-224-5111)まで。