新潟県の「綾子舞」と「大の阪」がユネスコ無形文化遺産への提案候補に選定

「綾子舞 小原木踊(座元:下野)」

新潟県の国指定重要無形民俗文化財を含む41件が、12日に開催された国の文化審議会において、「風流踊」としてユネスコ無形文化遺産への提案候補に選定された。

今後は、無形文化遺産保護条約に関係する省庁の連絡会議の審議を経て、3月末に国が提案書をユネスコ事務局に提出。その後、ユネスコ評価機関による勧告を経て、来年11月ごろに開催されるユネスコ政府間委員会の審議で決定する予定。

柏崎市の「綾子舞」は、同市にある黒姫山の麓、女谷の高原田、下野に伝承され、毎年9月に現地で演じられる民俗芸能。その由来は諸説あるが、長いたもとの振袖にだらりの帯、ユライと称する赤布を頭にかぶった少女の舞踊である小歌踊は、初期歌舞伎踊りを知る上で重要とされている。また囃子舞と狂言も、芸能史的価値が高いとされている。国の重要無形民俗文化財に指定されたのは、1976年。

魚沼市の「大の阪」は、同市堀之内に伝わる盆踊。毎年8月14日から16日の3日間、八幡宮境内に建てられた、高さ6メートルほどの櫓の周りで踊られる。太鼓の拍子に合わせて左回りに、緩やかに足を運び手振りをしていく踊りと、「南無西方」の文句が入った歌を音頭取りと踊り子が交わしていく様子は、地域的特色が顕著で、伝統的な祖先供養の盆踊の要素を今に伝えるものとされている。1998年に、国の重要無形民俗文化財に指定された。

大の阪(魚沼市教育委員会 提供)

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