大光銀行豊栄支店(新潟市北区)、強盗や特殊詐欺事件を想定した訓練を実施
新潟北警察署と大光銀行豊栄支店(新潟市北区)は8日、金融機関における強盗や特殊詐欺事件を想定した訓練を実施した。
訓練では新潟北署の署員が犯人役を演じ、持っていたバッグの口を開け、銀行の窓口に置くと、「金を出せ。早くしろ」と鬼気迫る様子で要求。それに対し、大光銀行の職員は緊張した面持ちで対応した。
銀行の電話が鳴ると「出るんじゃねえぞ」と犯人役の署員が職員の動きを制止。つづけてモデルガンを取り出し空砲を放った。そして、モデルガンで威嚇しながら店外へと走り去った。
訓練後に大光銀行の職員に強盗訓練中の気持ちを聞くと、「声を荒げていたので委縮してしまった」「迫力が思った以上にあって固まってしまった」と語った。また、訓練後に新潟北署からの寸評が行われ、「冷静に動けていて良かったと思う。だが、実際はお客様がいるケースもあると思うので、臨機応変な対応も必要な場合がある」と話した。
2022年は2021年と比べると、全国で金融機関を狙った犯罪が増加している。11月8日現在で16件発生している。そのうちの1件は新潟市内でATMを狙った強盗事件が発生しており、警戒が求められているという。
つづいて、特殊詐欺事件を想定した訓練が実施された。特殊詐欺事件を想定した訓練では、新潟北署の署員が、特殊詐欺によって騙され金融機関に金銭を下ろしに行く老人役を演じた。
訓練では、「全部、金を下ろしたいんだけど」と老人役の署員が窓口に言うと、職員が対応し、窓口の横に設置してある応接スペースに誘導した。職員が金銭を下ろす理由を聞くと、少し口調を荒らげながら「俺の金なんだから早くおろしてくれ」と急かした。それに対し、職員は冷静に話を聞きながら、「お客様の大切なお金です。最近、銀行では詐欺などの犯罪が横行しているので、もう少し話を詳しく教えてもらってもいいでしょうか」と対応した。老人役の署員が言葉で捲し上げる中、冷静にチェックシートを使って、事件性をチェックしていた。緊迫したやりとりの中、さらに奥の応接室に老人役の署員を誘導し、訓練を終えた。
訓練後、職員に訓練中の感想を聞くと、「もっと早い段階で奥に誘導できればよかった。勉強になった」と話した。
訓練後の新潟北署の寸評では、「少し誘導するまでの時間が多くかかっていたと思う。それに加えて、実際には警察に通報してから到着までの時間もある。『警察に言われて仕方なくやっている』と言って、警察の責任にしてもらっても構わないので、早く誘導して、早い段階で警察へ通報してほしい」と語った。
大光銀行豊栄支店の内山輝則支店長は訓練を終えて、「犯人役の人の迫力にかなり驚いた。今回、あらかじめわかっていても驚いた。実際はもっと対応が難しいと思うので、そういうことが認識できただけでも、(訓練を実施して)よかったと思う。今後に活かしていきたいと思う」と話した。
新潟北署の五十嵐富男生活安全課長は、「皆さん、冷静に対応していて良かった。ただ、今回は事前に訓練を実施することを伝えていたので、冷静に対応できていた部分もあるとは思う。仮に本番があったとしても、今回のように対応してもらえたらと思う」と語った。
つづけて、今回の訓練を通して伝えたかったことを聞くと、「実際、今回のような場面に遭遇したら、冷静に対応して、素早く警察に通報していただきたい。特殊詐欺については、銀行さんは最後の砦だと思うので、銀行さんには特殊詐欺未然防止のために協力を頂きたい」と話した。