国立病院機構新潟病院が新型コロナワクチンの医療従事者先行接種を開始

国立病院機構新潟病院(柏崎市、以下同院)は19日、新型コロナウイルス感染症ワクチンの医療従事者先行接種を実施した。同院では本日を含めた平日の10日間、院内の医療従事者に対して1日約60人ずつ先行接種を行う。本日は初回のため24人の接種を行った。

先行接種を受け、同院の中島孝院長は記者のインタビューに答えた。

ーワクチン接種を受けた感想は?

先行接種は新型コロナワクチン接種の普及の一歩になると思います。新しいワクチンなので、頑張ってこられた開発・製造販売・許認可・段取りを行っている方々に敬意を表すると同時に、ワクチン接種事業が成功するように、医療従事者として一緒に協力していきたいと思いました。

ー今後、多くの方ワクチンを接種していく意義はどのような点にあるでしょうか。(可能な範囲でご見解を

個人個人の免疫による予防効果は治験やその後の諸外国のデータで確実に得られています。集団免疫は人数が多くなると得られると言われています。その時は、接種しなかった人にも恩恵が得られます(もちろん接種しない人が多ければ意味がなくなる)。新型コロナウイルスパンデミックが収束するということです。

ーワクチンを打たないリスク、また副反応のリスクを抑えるためにできることがあれば、安心情報としてご教授ください。

スギ花粉や特定の食物、物質に対するアレルギーを持つ人は多いと思います。そのような方がもしこのワクチンを接種しない決定をするなら、大変もったいないなと思います。やはりそのような方は、今診療中の医師、かかりつけの医師と相談しながら接種する方向で考えるとよいかと思います。また各専門学会も見解、アドバイスを今後発信されると思いますので、注意していけばいいと思います。

ーマイナス75度前後での保管や解凍など、新型コロナワクチンは取り扱いに難しさはありましたか。

GPS、専用の温度計を使い温度管理がされ、規定の温度で輸送され安全に納品されました。専用の冷凍庫などを整備してもらったこと、手順書がしっかりしているので問題ないと思います。

ー先行接種を受けた医療従事者に副反応が出た場合は?

先行接種者は体温の変化や副反応を日誌に自ら記載します。病院の臨床研究のコーディネータなどが専用のEDCシステムに入力し、全国的に集計し、週単位で報告することになっています。予防接種法があるので、新型コロナワクチンの場合は、アナフィラキシーや定められた副反応疑い(けいれん、ギラン・バレー、ADEMなど)の発生を疑われた場合は24時間以内に厚生労働省に報告することになっています。

全身の急性の副反応としてすでに報道されているアナフィラキシーは、どんな注射でも起こりうるもので、今回のワクチンでの発生頻度は低い(190万人で21人)ですが、30分以内に出現するので、30分の観察が重要です。接種会場では、アナフィラキシーに対する治療薬であるアドレナリン注射ができる体制を整えています。その治療を行えば基本的に治ると考えられるので、それ以上の救命救急の対象となる方はほとんどないと考えています。問題は全身倦怠感や頭痛、発熱です。これらも解熱鎮痛薬を頓服処方し、そのような症状が出たら適宜内服してもらいます。

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