「持ちすぎ」「買いすぎ」「使いすぎ」見直して 長岡友の会が家事家計講習会を開催(新潟県長岡市)
新型ウィルス蔓延や、ロシアのウクライナ侵攻、物価高騰、円安と世界の混乱が著しい。市民は、家計や生活の見直しを余儀なくされている。「長岡友の会」(新潟県長岡市、石橋貴子代表)は、長岡市内で家事家計講習会を定期的に開催している。
同友の会は、日本初の女性ジャーナリストで、「家計簿」を考案した羽仁もと子氏の思想に賛同した女性たちによって結成された市民活動団体である。90年以上の歴史を持つ。現在は20人ほどの会員が活動している。
同講習会では、SDGを意識しながら、「持ちすぎない」「買いすぎない」「作りすぎない」「食べきる」といった“使う責任”を考えるきっかけを持ってもらう趣旨の元に開催されている。毎年開催されている講習会ではあるが、今年はウィルス蔓延防止のため、各回参加者5名の人数制限を設けた。講習会では、会員たちが受講者に向けてリレー方式で、年金生活者の現状や家計簿の意義について、生活に役立ちそうな情報など実演を交えて丁寧に説明していた。
会員の一人で、現在年金暮らしをしている渡辺暁(あき)さんは、45年以上家計簿を欠かさずにつけている。家計簿をつけることによって生活にかかるお金を見直し、毎年の収入の中からわずかでも貯金することによって急な出費にまかなうことが出来たことなど、自身の経験を踏まえながら、家計簿の意義や長続きする秘訣などを熱心に受講者たちに伝えていた。
家計簿の話の後は「夕食づくり」である。今回は「フライパンコーンシューマイ」の作り方を伝えていた。会員たちが実際の調理の様子を披露すると、開始から20分足らずで会場内においしそうなコーンとシューマイの香りが漂った。
参加者の一人、白藤美智子さん(長岡市在住・50代)は、今回、ママ友である石橋代表に誘われての参加だった。「これから具体的にかかるお金について詳しく聞けたのがよかった。子どもにお金がかかるなあとおもったら、孫のことや税金などにもお金がかかるということがわかった」と、講習の内容に満足そうな様子だった。
家計簿の説明をしていた渡辺さんは、「家計簿を作って、こんな風に生活が変わっていくんだよということを(皆様に)伝えたかった。皆様本当に熱心に聞いてくださった」と受講者の満足した様子に喜んでいた。
講習会はその他、裁縫やお得商品の紹介などがあり、昼前には終了した。最近では、クラウドを利用したオンライン上での家計簿も登場している。こういったサービスを上手に活用し、改めて家計や生活を見直してみるのも大切なことなのかもしれないと改めて取材を通して感じた。
講習は11月11日、12日にも行われる。詳細は同友の会が更新しているInstagramを参照のこと。
(文・撮影 湯本泰隆)