雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)が減収減益、コスト増や消費者の家計防衛意識の高まりが響く
株式会社雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)は10日、2023年3月期第2四半期決算(連結)を発表した。
収益は175億1,300万円(前年同期比△14.6%減)、営業利益は8億1,400万円(同△68.1%減)、税引前四半期利益は6億2,000万円(同△73.5%減)、四半期利益は4億3,200万円(同△71.6%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4億3,100万円(同△71.6%減)、四半期包括利益合計額は4億3,200万円(同△71.6%減)となった。
雪国まいたけのグループ事業を取り巻く環境は、原油価格の高騰などを背景に、食品の値上げが相次ぎ、消費者の家計防衛意識は一層高まっており、厳しい状態がつづいているという。同社グループにおいても、ユーティリティ単価の高騰や原材料値上げの影響などによる各種コストの増加が収益を圧迫している。
雪国まいたけでは、約6年間の開発期間を経て、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、2022年8月から「雪国まいたけ極 白」の発売を開始。「雪国まいたけ極 白」は従来の「雪国まいたけ極」の持つ栄養素に加え、食感や味を継承した同社オリジナルの品種。これを機に、極ブランドの強化及びPRを実施し好評を得ているが、スタートして間もないこともあり、当第2四半期連結累計期間での効果は限定的だった。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の収益は、175億1,300万円で、このうち売上収益は、127億5,700万円(同△7.7%減)。また、売上総利益は、45億800万円(同△28.7%減)となった。販売費及び一般管理費は、36億6,800万円(同△2.4%減)となった。
営業利益は8億1,400万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4億3,100万円となった。なお、当第2四半期連結累計期間においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に47億5,500万円(同△28.9%減)、売上原価に39億5,900万円(同△27.0%減)、それぞれ含まれている。
セグメント別の売り上げは以下の通り。
茸事業
まいたけ
まいたけの魅力をより広く消費者に周知するため、ほか食品メーカーとの共同企画による食べ方提案やSNSを活用したレシピ紹介などを実施したが、他社増産の影響もあり、前年同期に比べ販売単価、販売量は低調に推移した。
この結果、当第2四半期連結累計期間においては、まいたけ事業の売上収益は、70億5,100万円(前年同期比△7.3%減)となった。
エリンギ
生産品質の向上により安定した供給を維持し、簡便性の高いピロー製品の導入などこれまでのアイテム構成の見直しを図っているが、販売単価、販売量いずれも前年同期に比べ低調に推移。
この結果、当第2四半期連結累計期間においては、エリンギ事業の売上収益は、14億1,300万円(同△10.7%減)となった。
ぶなしめじ
青果市況と市場の動向を注視しながら、需給バランスに応じて1株製品と2株製品といった量目が異なる製品を活用した柔軟な製品投入を実施したが、他社増産の影響もあり、販売単価、販売量いずれも前年同期に比べ低調に推移した。
この結果、当第2四半期連結累計期間においては、ぶなしめじ事業の売上収益は、25億2,600万円(同△5.7%減)となった。
その他の茸
マッシュルームは、一時的に生産が不安定になったことにより市場の旺盛な需要に応えることができなかったため、前年同期に比べ販売は低調に推移した。そのほか、はたけしめじや本しめじについては、販売は堅調に推移した。
この結果、当第2四半期連結累計期間においては、その他の茸事業の売上収益は、15億7,300万円(同△8.1%減)となった。
その他
その他の売上収益は、主に健康食品の販売及び瑞穂農林株式会社が取り扱う培地活性剤によるもの。当第2四半期連結累計期間においては、健康食品は前年同期に比べ堅調に推移したが、培地活性剤の製造及び販売量が減少した。
この結果、その他の売上収益は、1億9,100万円(同△18.7%減)となった。
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