佐渡汽船(新潟県佐渡市)などが連携し「佐渡汽船シャトル」の実証運行を開始、船便と接続するAIオンデマンド交通がスタート
佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)、株式会社みちのりホールディングス(東京都)、佐渡地区ハイヤー協会、株式会社REA(東京都)、新潟県、佐渡市は11日より、佐渡市の両津・国中の市街地エリアと両津港佐渡汽船ターミナルとの間を、佐渡汽船の船便に接続して運行するリクエスト型最適経路交通「佐渡汽船シャトル」の実証運行を開始した。
佐渡汽船シャトルは、両津港から出発する船、両津港に到着する船のタイミングに合わせて、両津港と佐渡島内市街地エリアとの間を運行する乗り合いの交通サービス。エリア内に多数設置された乗降ポイントのうち、複数の利用者からリクエストされた異なる乗降ポイントと両津港との間を、人工知能(AI)が計算した効率的なルートで運行する。
リクエスト型最適経路交通の導入による島内交通サービスの利便性向上を通して、佐渡汽船としては観光客を始めとする航路利用者の増加と定着を、佐渡島内の交通事業者としては佐渡島民および来島者からの新たな利用者の獲得を目指す。
佐渡汽船シャトルは島内交通事業者と佐渡汽船が連携した取り組みであり、実証運行ではその事業性検証ともに、リクエスト型最適経路交通を島内のより広い範囲、多様な目的に活用する可能性についても検討する。
なお本事業は、新潟県の「地域活性化リーディングプロジェクト」として佐渡汽船が事業委託を受け、みちのりホールディングスと連携しつつ、佐渡市の協力を得ながら実施するもの。車両の運行は佐渡地区ハイヤー協会に加盟する6社が行い、予約受付・配車システムは REAが提供する。
乗降場所は、島内の両津地区と国中地区の市街地エリアを対象に186ヶ所設定した。そのうち98ヶ所は既存のバス停付近を、その他の88か所は旅館・ホテルや店舗などの各種施設を目印として新たに設けている。これらの中からリクエストされた場所と両津港を結ぶ交通サービスを佐渡汽船の船便ごとに運行することで、高い利便性を実現する。
運行ダイヤは、両津港発着の船便に合わせて運行する。新潟港行きの船が出航する30分から50分前に佐渡汽船シャトルが両津港へ到着し、新潟港からの船が到着した15分後に佐渡汽船シャトルが両津港から出発する。
今回の実証運行では、新潟港行きの朝5時30分両津発および7時20分両津発を除く、全ての佐渡汽船の船便に対応して佐渡汽船シャトルを運行する。
利用希望者は、専用ウェブサイトから乗船予定の船の日付と便を選び、利用したい乗降場所を選択することで簡単に予約することができる。一部の時間帯の便を除き、佐渡汽船の予約センターへの電話で予約することも可能となっている。
佐渡汽船シャトル実証運行の運行日は、11日から12月18日までの金曜、土曜、日曜、祝日で、対応する船便は、5時30分と7時20分の両津発を除く全便。運行する車両は、金曜日は船1便あたりワンボックス1台(利用可能人数は船1便あたり7人)、土曜・日曜・祝日は、船1便あたりワンボックス1台とセダン1台(利用可能人数は船1便あたり10人)。運賃は無料。
この実証運行では利用状況やアンケートなどからサービスの評価や受容性の検証を行い、佐渡汽船シャトルの本格的な運用へ向けた検討を行う。また佐渡市が今年5月に設置した佐渡島MaaS検討会と連携することで、佐渡島内の交通サービス全体の利便性を向上し、交通ネットワーク全体の持続性を高めることを目指していく。