県立歴史博物館(新潟県長岡市)で、大河津分水と信濃川の治水の歴史を伝える展示

11日に行われた「大河津分水と信濃川の治水」内覧会の様子

県立歴史博物館(新潟県長岡市)は11日から、冬季テーマ展示「大河津分水と信濃川の治水」を開催する。会期は、2023年1月15日まで。

新潟県燕市と長岡市を通る大河津分水は、洪水の頻発していた信濃川下流地域の治水のため1922年に通水。100年目の節目となる2022年は、燕市を中心として多くの記念事業が開催されてきた。また、同じく信濃川下流の新潟市中央区と西区に位置する関屋分水も、同年に通水50周年を迎える。

この記念事業の一環で、県内6館の博物館と史料館がリレー形式の特別展示を実施。今回の県立歴史博物館の「大河津分水と信濃川の治水」は、その最後を飾る展示となる。

今回の展示では、大河津分水通水以前となる江戸時代の地図や、事業を実現するために奔走した人々の肖像、第二次工事の際に用いられた運搬車「鍋トロ」など、当時の空気と人々の悲願が真に迫って感じられる多種多様な史料が各所から集められた。

1870年ころの大河津分水の設計絵図

県立歴史博物館の斎藤良人館長

会場式のあいさつに立った県立歴史博物館の斎藤良人館長は「各館から史料を提供いただき、約130点を展示している。企画展並みに立派な展示となった」と感謝の言葉を述べる。

そして、「100年前の大河津分水通水まで、信濃川中流域下流域は度重なる洪水に悩まされており、その抜本的解決は江戸時代からの地域の悲願であった。しかし、他地域との利害の対立や、莫大な経費などの課題があり、通水実現までには長い年月を有した。(関わった人々の)熱意と努力、そして新潟県の歴史の流れが、こうした重い課題を打ち砕いた。そうしたことが分かる史料を展示しているので、先人たちの努力の足跡を十分にご覧いただけると思う」と話した。

開館時間は9時30分から17時(観覧券の販売は16時30分)まで。休館日は月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)と、12月28日から1月3日。観覧料は一般が520円、高校・大学生が200円、中学生以下は無料。

工事にあたり創設された工事守護神社の棟札

第二次工事の写真

第二次工事の際に用いられた運搬車「鍋トロ」

県立歴史博物館

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