【独自】新潟のアイドルグループ「RYUTist」が2年ぶりのニューアルバム、「テーマは『希望』」
音楽ライター・南波一海(なんばかずみ)がタワーレコード内に設立したレーベル「PENGUIN DISC(ペンギン・ディスク)」より、新潟在住の4人組アイドルグループ「RYUTist(リューティスト)」が、22日に2年ぶりのニューアルバム「(エン)」を発売する。
今作は、これまでシングル・配信リリースをしてきた4曲に加えて、君島大空によるインタールード曲「支度」、柴田聡子によるメンバー4人の伸びやかなハーモニーが印象的な「オーロラ」、ウ山あまねによる複雑でトリッキーなトラックと声の相性が抜群の「たったいま:さっきまで」、蓮沼執太による4つ打ちのビートが高揚感を煽るポップソング「PASSPort」、ermhoiによる解放感あふれるエンディング曲「逃避行」と豪華作家陣による新曲5曲を収録。アルバム1枚通して様々な情景を楽しむことができる音楽ファン必聴の1枚に仕上がっている。
今回は2年ぶりのニューアルバムリリースを控えるRYUTistのメンバーである「五十嵐夢羽」さんと「横山実郁」さんに、リリースされるアルバムのことなどについてインタビューした。
——2年ぶりのニューアルバムについて
五十嵐夢羽さん「今回のアルバムも豪華な作家さんに手掛けて頂きました。クオリティの高い楽曲が勢揃いで、前作の『ファルセット』もすごく良いという言葉をもらっていたけど、それを超えるような凄い作品ができたなと思っています。自分がこれを歌っているのだなと思うと、すごく誇りに思う」
横山実郁さん「アルバムのテーマというのが『希望』なんです。コロナがあった2年間、本当に色々制限があってライブ活動ができず、ファンと会えない期間が続いていました。コロナ禍だからこそ感じられた感情が色々あって、苦しかったけど、その中でキラキラして美しく見えたものが今回のアルバムでは表現できていると思う。このアルバムを通して、聴いてくださる人に希望を届けたい」
——おすすめの曲は?
五十嵐さん「私は『しるし』という楽曲です。パソコン音楽クラブさんに作っていただいた曲なのですが、この曲は、メンバーでレコーディング前に『しるし』の曲の雰囲気や情景を思い浮かべ、メンバーで固めてレコーディングに臨みました。なので、レコーディングの時に、曲の雰囲気や情景を感じながら歌えたと思うし、歌詞には強い言葉のフレーズが多く使われているので、大事に歌った思い出があります」
横山さん「私は『オーロラ』です。配信がスタートしたばかりの曲なのですが、この曲の設定が3年ぶりぐらいにメンバーが集まって、アラスカにオーロラを見に行くという設定の曲です。なので、実際にアラスカに行ってオーロラを見るということをメンバーの中で想定して、世界観を自分たちで作ってレコーディングに臨みました。(RYUTistの)メンバーっぽいなというフレーズが印象的な歌詞で、なんといってもメロディが凄くかっこ良く歌っていても気持ちが良いので、ぜひ皆さんにも聞いてほしい」
——アルバム「(エン)」のタイトルにはどういう気持ちが込められていますか?
横山さん「人との『縁』であったり、私たちが大人になってきたので妖艶の『艶』だったりとか、メラメラと心が燃え上がるような『炎』、人と人との繋がりを示す『円』とか、そういった様々な『エン』があります。あえて私たちからは、答えを出しません。聴いてくださった人たちが、自分なりの『エン』を見つけてほしい」
——アルバム制作でチャレンジした点は
五十嵐さん「『うらぎりもの』という曲のコーラス部分ですね。RYUTist史上最も長いのではないかというくらいのコーラスパートがあって、しかも難易度が高い。そこでは自分と戦って、メロディーラインとも戦いましたね。だから、ラップ部分に注目が行きがちだけど、ぜひ頑張ったコーラス部分にも注目してほしい」
——RYUTistにとって音楽とは
五十嵐さん「提供してくださった方が伝えたいことと、自分たちが伝えたいことをしっかり届けたいと想って歌っています。作ってくださった人の迷惑にならないように、ちゃんと曲の内容を飲み込んで表現したい。表情とか、声にも(伝えたいことが)ちゃんと出せるようにしています」
横山さん「表現はすごく大事にしています。これは私の勝手な考えなのですが、綺麗に歌うだけだったら、私たちじゃなくてもいいのではないかって思います。最大限の表現をして、RYUTistにしか歌えない歌をしっかり完成させるのが大切。それができなかったらRYUTistじゃなくていいよって言われて終わってしまうと思うので、それを言わせないぞという気持ちが私の中にはあります」
——メンバー同士の関係性について
五十嵐さん「仲良しです。RYUTistは今年で12年目になるのですが、1度も喧嘩をしたことがない。(RYUTistのメンバーとは)毎日会うわけでもなく、メンバーで遊びに行ったりもしないんです。それって仲が悪いからじゃなくて、ほぼ毎日のように練習で会えるし、無理に時間を合わせなくても、自然に会える。お互いがお互いを理解しているから、程良い距離感を知っているんです」
——今後のRYUTistの在り方
横山さん「『フレッシュ』でありたいですね。私たちはデビューして12年目、私以外のメンバーはきっちり12年間活動しているのですが、全く大御所感がない。(その様子を見て)いつまでも謙虚な気持ちというのは忘れないで持っていたいと思います。謙虚に一生懸命頑張っていきたいと思っています」
——ファンに向けて
五十嵐さん「RYUTistが8か月間かけて頑張ってきた作品『(エン)』を1曲1曲皆さんにも愛してほしいと思う。私たちの大好きな曲なので、私たちの好きなものを皆さんにも好きになってほしい。たくさん聞いてほしい」
横山さん「このアルバムを引っ提げて、全国4か所、東京、大阪、仙台、新潟。全国ツアーに臨みます。RYUTistにとって初の試みなので、ぜひ会いに来てほしい。このアルバムを通して、みんながご縁で繋がるような時間を作れたらいいなと思います」
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インタビューで語られたように、RYUTistというアーティストは「表現」を大切にするグループ。独りよがりではなく、メンバー全員で喜怒哀楽のすべてを共有しようという意思が強く感じられた。
2年ぶりのニューアルバム「(エン)」には、彼女たちの様々な想いが詰まっている。
(文、撮影 児玉賢太)
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