新潟大学が「日本酒学」の研究成果などを発表するシンポジウム
新潟大学、新潟県、新潟県酒造組合は15日、「日本酒学」に関するシンポジウムを開催し、新潟大学日本酒学センターの教師による研究発表や、ゲストスピーカーによる「日本酒の海外展開」などに関する講演を行った。
日本酒学(sakeology)は、新潟大学が提唱する、日本酒というテーマを軸にした学問で、酒の製造などの化学的な視点だけではなく、文化面や医学面など、同大学が擁する全学部からアプローチできる学際的な取り組みが特徴。2017年5月に新潟大学、新潟県、新潟県酒造組合が同学問の構築のために連携協定を結び、2020年には新潟大学五十嵐キャンパス(新潟市西区)内に研究拠点となる「日本酒学センター」を開設した。
その成果を発表するシンポジウムの開催は、今回で5回目。新潟大学の牛木辰男学長は「この3年間、新型コロナウイルスの影響で学生の海外交流が難しく、また、日本酒学センターはセミナー開催や利酒ができるように設計したが、それも実現できていないことは残念。とはいえ、県酒造組合や県醸造試験場とさまざまな活動をつづけてきた。今回は短い時間ではあるが盛り沢山なので、さまざまな視点で日本酒を考えてもらえる機会になれば」と話した。
シンポジウムでは日本酒学センターの研究者が登壇し、歴史学の視点から「近代庶民生活における酒の位置付け」、農学と日本酒の製法の立場からの「酒米減肥栽培でつくる日本酒の味わい」、そして「細胞死研究から拓く日本酒学」という医学面からのアプローチなど、「日本酒」を多様な分野から見た研究の成果を発表した。
また、日本博事務局長の根来恭子氏などゲストスピーカーからは、日本酒の海外発信・海外展開、地域経済に関する講演が行われた。