新潟県燕市の鈴木力市長が定例会見で新型コロナワクチン接種のスケジュールなどを公表
新潟県燕市の鈴木力市長は26日に定例会見を開き、同市における新型コロナウイルスワクチン接種の予定や、約10年ぶりとなる市webサイトの大幅リニューアルなどについて発表した。
主な発表項目に関しては、以下の通り。
目次
◎燕市のワクチンは個別接種が中心に
◎燕市公式サイトが大幅リニューアル
◎加茂市に続き「本の通帳」を導入
◎産業資料館で「デザインの力」を考える企画展
◎フードバンクへの寄付を募集
燕市のワクチンは個別接種が中心に
燕市における新型コロナウイルスワクチンの接種対象者である16歳以上の市民は、約6万7,000人と想定されている。今後のスケジュールは、3月下旬に65歳以上の高齢者へ接種券と予診票を発送すると同時に、集団接種の予約受付を開始。4月から6月にかけて高齢者への接種を行い、64歳以下の市民の接種は7月以降となる(基礎疾患のある人を優先して開始)予定だ。
接種の方法については、かかりつけ医など医療機関で接種する「個別接種」を主として、公共施設での「集団接種」と高齢者施設などを対象とした「施設接種」の3つの方法を採る方針である。
「個別接種」は、接種券到着後に市民が自ら市内協力医療機関へ予約し、診療時間内に接種をする方法。協力医療機関に関しては、後日市が発表する予定だが、現状では市内医師会に所属する約50の医療機関(皮膚科・眼科など含む)のうち、36箇所が実施可能であり、追加で10箇所が検討を進めているため、市内の多くの医療機関で接種が可能となるという。
かかりつけ医が居ないなどの理由で接種ができない場合は、中央公民館、吉田産業会館、分水公民館での「集団接種」を受けることとなる。今後市が設置する予約受付センターへの電話か、専用webページからの申し込みで予約ができるように準備が進められている。また、上記公共施設の他にも市内の検診機関などでの実施も検討している。
「施設接種」は、高齢者施設などを対象に、入所者・従事者へ嘱託医もしくは施設医が実施する。一方、優先接種の対象である医療従事者のワクチン接種は、県が中心となって実施するもので、燕市では3月中旬ごろの開始を予定している。
また、こうしたワクチン接種体制の構築に伴い、市は3月5日から専用の相談窓口を開設する予定である。
燕市公式サイトが大幅リニューアル
燕市は公式サイトと特設サイト「婚活×妊活×子育まるごと応援Web」を3月1日10時からリニューアルする。現在のサイトと比較して、スマートフォンやタブレット端末での見易さや、アイコンを多用し視覚的に情報が探しやすいデザインになるという。
また機能面では、翻訳機能の導入により9言語で閲覧可能となったほか、転入転出や出産など当てはまる状況をチェックすることで現在必要な手続きが検索できる「手続きナビ」などの新機能が追加される。セキュリティの点でも、通信をSSL化したことで安全にブラウジングできるようになるという。
リニューアルに伴い、全ページのURLが変化するため、ブラウザのお気に入り登録をしている場合は再登録が必要となる。また、リニューアル後2週間程度は検索サイトやサイト検索からページが見つからない場合があるため、サイトのトップページからのアクセスをするように推奨した。
加茂市に続き「本の通帳」を導入
全国的の図書館で導入が拡大し、県内でも南魚沼市や加茂市が提供を開始した「本の記録帳」や「読書通帳」と呼ばれる取り組みが、燕市立図書館でも開始される。この取り組みは、通帳を模した記録帳を図書館に設置された専用の機械に通すことで、現在借りている本の貸出年月日、書名、著者名を印刷し、ふりかえり欄には本の評価などを星三つでランク付けできるというもの。
燕市の「本の通帳」は、『つばめこうくう』などの作品で知られる絵本作家もとやすけいじ氏が表紙をデザイン。もとやす氏と燕市のコラボレーションは、2019年11月開催のワークショップと2020年10月開催の絵本原画展に続き3回目となる。
「本の通帳」は、26日から市内3図書館ので配布を開始する。配布対象は、市内在住もしくは在勤・在学する図書カード登録者。
また図書館に関連し、鈴木市長は2日から始まった「電子図書館」が「非常に多くの方から利用をいただいている」と言及した。電子図書館では現在約1,000冊の図書が用意されているが、その半数以上が貸し出し中となっているという。また利用者の統計では40歳代の人が2割と最多で、利用時間は20時頃が多いようだ。
燕市教育委員会の担当者によると、電子図書館では1日約118冊の図書が貸し出されている。今後はラインナップの拡充をするとともに、特集も続けていくという。
子育て家庭に優待を受けられるカードを配布
燕市は、市内の妊婦や中学生以下の子供がいる保護者を対象に、3月初旬より「つばめ子育て応援カード」を保育園や小中学校を通じて、もしくは郵送で配布する。これは、子育て家庭の経済的負担の軽減を目的とした取り組みで、市内協賛店で提示すると割引などのサービスが受けられる。利用開始は4月1日から。
協賛店や受けられるサービスに関しては、カードに記載されたQRコードからアクセスすることで確認が可能。協賛店の募集は現在も続けられており、24日時点では42店舗が参加している。
産業史料館で「デザインの力」を考える企画展
燕市産業史料館は4月2日から5月16日まで、株式会社フレーム(新潟市中央区)の企画展を開催する。
フレームは2006年設立のデザイン会社で、代表の石川竜太氏は三条市の出身。産業資料館の図録「鎚起銅器」のデザインや、4w1h燕三条キッチン研究所(杉山金属株式会社)のブランドデザインなど燕市とも関係が深い。
今回の企画展では、フレームの手がけたロゴデザインのパネルや、パッケージデザインに携わった商品など約200点を展示する。
フードバンクへの寄付を募集
現在、新型コロナウイルスの影響により失業や収入の減少からフードバンクに登録する世帯が増加しており、需要に対して支援に必要な食品の不足が問題となっている。こうした状況から、NPO法人フードバンクにいがたは燕市へ協力を要請。3月8日から約1週間、家庭や企業で余った食材を市の窓口で受け付け、フードバンクにいがたへ寄付する活動を実施することとなった。
8日から12日は燕市役所社会福祉課、燕サービスコーナー、分水サービスコーナーの3箇所で、8時30分から17時まで実施。14日は、市役所エントランスホールで食品を受け付ける。対象食品は、米や餅、缶詰や瓶詰、インスタント・レトルト食品など常温保存が可能で賞味期限が2週間以上ある未開封のもの。寄付された食品は、フードバンクにいがたを通じて、生活困窮世帯などへ配布される。
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