「妙高には世界に自慢できる宝(自然)がある」妙高市企画政策課の葭原利昌課長兼SDGs推進部長がSDGsの取り組みの現状ついて講演

当日の会場の様子

一般社団法人妙高山麓フューチャーセンター(新潟県妙高市)は17日夜、「一緒に考えてみませんか。日常生活の中にあるSDGs」と題したセミナーを開催した。妙高市企画政策課の葭原利昌課長兼SDGs推進部長が妙高市のSDGsの取り組みの現状ついて講演し、参加した市民など約20人が耳を傾けた。参加者の中には比較的若い世代で大阪府の出身者やアメリカ・ワシントンDCでの生活経験者がいるなど多彩な顔ぶれとなった。

葭原SDGs推進部長は「以前はMDGs(ミレニアム開発目標)と言って、発展途上国を対象にして一部の専門家で話し合って決めていたが、それではまずいということで、その後、発展途上国だけでなく、先進国用における課題も含まれるようになり、それがSDGsとなった。SDGsには、17のゴールがあるが、日本の達成度は163か国中19位。ジェンダー(男女平等や性差別)や環境の分野で課題を抱えている」と話した。

また、「妙高市の課題は、人口減少が進んでいることだ。77年前の1945年の旧新井市、旧妙高村、旧妙高高原町を3つ足して6万人の人口がいたが今や半分だ。年間で471人減っている。近年、ずっと年間約500人減っていることになる。若者の進学、就職や出生率の低下が要因だ。昔は一旦都会へ出ても戻って来ていたが、今はそのまま都会で就職、生活する人が多い。40年後には妙高市の人口は半分以下になるとの予測も出ている」と述べた。

また、妙高市での2次交通問題解決へ向けて、Eバイク(電動自転車)を導入した取り組みについて触れ、「電動自転車は脱炭素、健康増進、ちょっとした移動手段の一石三鳥になる。我々の想像以上に非常に多くの方々から利用してもらっている」と紹介した。

最後に葭原SDGs推進部長は「観光客は『きれいだ。食べ物が美味しかった。さよなら』と言って、すぐに帰ってしまう。市としては、市外からの関係人口を増やしたい。妙高の魅力に惹きつけられて何回も往復して、住む人と交流をして地域課題を解決するなどの関係人口を増やしていきたい。SDGsは難しく考える必要はない。すぐにできることがある。自分だったら、何ができるかを考えてもらいたい。何年か前のアメリカの放送局CNNの調査で、妙高市の苗名の滝やいもり池、妙高山などが日本で最も美しい31選に選ばれた。世界に自慢できる宝がある。美しい景色を皆さんの手で守りましょう」と話していた。

講演後の参加者によるディスカッションで、ある東京都出身のホテル関係者(男性)が「隣の長野県の人は話を何倍も膨らまして言う。新潟県民は『何もない』と言うが、雄大な自然がある。もっと自信を持ってもいいと思う」と話していたのが印象的だった。

妙高市企画政策課長兼SDGs推進部長の葭原利昌氏

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