にいけい編集部発「今週の主なニュース」(11月14日から20日まで)

イオン新発田での販売会で宣伝する相撲部員

巻頭コラム

新潟県糸魚川市に海洋高校という稀有な県立高校がある。元能生水産高校といい、舩の海洋実習やアカムツ(いわゆるノドグロ)の養殖、最近では相撲部の活躍などで注目を浴びている高校だ。

その海洋高校で教鞭をとりながらも、退職して起業したのが、株式会社能水(のうすい)商店の松本将史代表取締役だ。安定の高校教諭を退職してまでも起業したそのフロンティアスピリッツには感服するばかりだ。

能水商店は、海洋高校の水産加工実習を支援しながら地域水産資源の有効利用を図ることを目的に2018年に設立した会社で、海洋高校の生徒たちが開発した魚醤「最後の一滴」を普及させるために、関連商品の開発を2020年から加速化している。

全国屈指の強豪校である相撲部生徒が能水商店での企業実習で開発したシーフードレトルトカレー「ごっつぁんカレー」(税抜き480円)も好評だという。私も食べたことがあるが、イカやホタテ、エビの具が大きく、食べ応えがある。いわゆるご当地カレーのため、スーパーマーケットには置いてはおらず価格も高めだが、高速道路のサービスエリアや道の駅、お土産店などで販売されている。

今年4月には、⽷⿂川市の「道の駅マリンドリーム能⽣」に飲⾷提供と物販を融合させた直営店「新潟海洋⾼校アンテナショップ能⽔商店」をオープンした。糸魚川産ジャージー牛乳を使用したソフトクリームに「最後の一滴」からつくったビターカラメルをかけたソフトクリームや、あんこうバーガーなどの特徴的なオリジナルメニューが話題となっている。

一方、松本代表取締役は、今年度採択された⽂部科学省指定研究事業「マイスター・ハイスクール」(2023年度まで)の運営管理職として再び海洋⾼校で勤務している。4月の直営店の出店は、マイスター・ハイスクール事業の⼤きな⽬⽟であり、事業後も海洋⾼校の情報発信の拠点となることを目指している。

私の大学の後輩にあたる松本代表取締役は旧巻町の出身。「よその地」の糸魚川市で活躍する40代前半の若手経営者に今後も注目していきたい。

(編集長・梅川康輝)

 

経済

11月14日
https://www.niikei.jp/548650/
11月15日

オーシャンシステム(新潟市三条市)が2023年3月期第2四半期決算(連結)を発表、増収減益


11月18日

小木・直江津航路(新潟県佐渡市・上越市)カーフェリー、船名は「こがね丸」に決定

鋼材価格の上昇などにより増収益に、清(すが)鋼材(新潟県糸魚川市)が第2四半期決算(連結)を発表

 

政治・行政

 

11月14日

拉致から45年、横田めぐみさんの拉致現場を参院議特別委員会が視察


11月15日

新潟県阿賀町長選、現職の神田一秋氏(63歳)が無投票で再選


11月16日

「現状は行動制限は考えられない」新潟県の花角英世知事が感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症について言及


11月17日

新潟県庁で「第1回新潟県鳥インフルエンザ対策本部会議」を開催、花角知事が本部長として参加

 

社会

11月15日

新潟大学が「日本酒学」の研究成果などを発表するシンポジウム


11月16日

https://www.niikei.jp/550006/

11月17日

第15回居酒屋甲子園全国大会が新潟県民会館(新潟市中央区)で開催、全国大会に勝ち進んだ猛者が新潟で覇を競う

新潟県燕市の鈴木市長やフラーの渋谷会長が「地域DX戦略」を語る、ダイワボウ情報システム(東京都)が「DISわぁるど in 越後にいがた」を開催

11月18日

三条信用金庫(新潟県三条市)、強盗対応と特殊詐欺被害防止の訓練実施

 

かわらばん

 

11月16日

「生誕120年 棟方志功展」が大島画廊(新潟県上越市)で19日より開催(入場無料)

11月17日

株式会社スノーピークビジネスソリューションズ(愛知県)が29日・30日にツアー型企業研修「Local Work Tourism」を開催

 

 

動画

11月14日

11月17日

 

編集部ピックアップ

 

11月14

【独自】110年を超える歴史がある新潟県上越市の朝市、高齢化課題も若者の新規参入やイベント効果で出店者増

【特集コラム】アルビ来期は大丈夫?! 編集部独自調査で翌年降格は33%というデータも

11月15日

【連載】「長岡が世界へ誇る養鯉業」(下) 錦鯉の選別 0.2%の世界 クオリティ求めて(株式会社錦鯉新潟ダイレクト)

【独自】新潟のアイドルグループ「RYUTist」が2年ぶりのニューアルバム、「テーマは『希望』」

11月19日

【独自】「うちのル・レクチェを食べなきゃ人生後悔するよ」新潟県が誇る西洋梨「ル・レクチェ」の出荷開始

【道の駅特集】過去に道の駅売り上げ日本一になった「道の駅あらい」 県内唯一の高速道路との連結、飲食店の多さが人気の秘密【動画あり】

 

編集後記

火焔型土器

2022年は大河津分水通水100周年。私も去年、今年と、その関連の取材へ何度か足を運びました。月並みな言葉ですが、見つめ直すと本当によく100年前にこんな大工事を成し遂げたものだと驚きますし、それを実現した当時の人々の執念と努力に感服します。

そのような中、先週は県立歴史博物館(新潟県長岡市)の冬季展示を取材しました。信濃川の治水工事に関わる史料を集めたもので、7月から半年かけて県内6館を巡った大河津分水リレー展の最後を飾る展示でもあります。

展示品の中でも特に、大河津分水通水以前の絵図に心を惹かれました。そこには、今は水路の底となっている地名や、治水工事の効果により消えた円上寺潟などなど。弥彦山から見渡せば、現代の田園風景とは程遠い景色が広がっていたことでしょう。また、工事の安全を祈るための守護神社の棟札や、逆に工事に反対する内容の史料なども興味深く拝見しました。

現代の繁栄が決してなるべくしてなったものではなく、多くの困難を超え、反対もあった上で実現したものであることを改めて突きつけてくる史料には、なんとも言えない凄みを感じます。

大河津分水は現在も機能維持のために整備と工事がつづけられており、また、これからの災害へ対応するために大規模な改修工事も進められています。101年目へ向かうなか、これからもこの景色は変わっていくことでしょう。取材を重ねる中で、治水工事は過去の出来事でなく、自分もその最中にいることを改めて実感しました。

余談ですが、県立歴史博物館には常設で火焔型土器が大量に並べられています。この有機的な造形は有名ですが、何をモチーフにしているのかは不明だそうです。個人的には、川や海で渦巻く波のように見えます。

(編集部・鈴木琢真)

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