油揚げなど製造販売、飲食サービスのアスミルが事業停止、 県内62番目の新型コロナウイルス関連倒産
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、油揚げなど製造販売、飲食サービスのアスミル株式会社(新潟県長岡市、設立平成26年10月22日、資本金100万円、大橋剛社長、従業員10名)は19日に、岩渕浩弁護士、中川雅博弁護士(岩渕浩法律事務所、新潟市中央区)に事後処理を一任し、事業を停止した。今後は任意整理を予定している。負債総額は債権者約30人に対し、1億8,760万円。
栃尾の名産品である油揚げの製造販売を主目的に、2014年10月に設立され、翌2015年8月より工場の稼働を開始した。同時に併設する店舗にて直売・飲食サービスを行い、実店舗の「あげ家松兵衛」はメディアに多く取り上げられ、ブランド力向上に加えて、小売の売上アップや卸売の顧客増加に寄与し、2019年9月期には売上高6,424万円を計上していた。
2020年にはハワイの日系スーパーでの販売機会を得て事業を拡大していたが、新型コロナウイルス感染拡大で海外販売の契約は白紙となったほか、国内事業も新型コロナ禍で主な取引先であった県内飲食店への出荷が激減、店舗利用客も減少するなどの打撃を受け、2021年9月期の売上高は3,553万円に落ち込んでいた。
また、売上低迷で2020年9月期以降は赤字が連続し、工場稼働時の初期投資や海外市場拡大を睨んで導入した機械設備の投資負担が重くのしかかり、資金繰りは逼迫していた。事態打開を図るべく、運営見直しやECでの小売拡大、売価再設定などに取り組んできたが、好転せず、資金繰りが限界に達し、今回の事態となった。
新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは62件目となる。