厚生労働省新潟労働局の阿部充局長が2月度定例記者会見で県内の求人・求職状況を解説
厚生労働省新潟労働局の阿部充局長は2日、2月度定例記者会見を開き、県内の公共職業安定所(ハローワーク)における令和3年1月分の一般職業紹介状況を解説した。県内の有効求人は8ヶ月連続で増加したものの、有効求職者数の減少や、求人が増加した業種が限定されることから総評は先月度から据え置き、「求人の動きが弱く、引き続き新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に十分注意する必要がある」とした。
1月度の県内有効求人(季節調整値)は4万3,961人で、8ヶ月連続増の前月比1.3%増加。新規求人(季節調整値)は1万5,700人で前月比4.5%減と、3ヶ月ぶりの減少へと転じた。
求人数の増加に対して、求職者は減少した。有効求職者数(季節調整値)は3万4,215人で前月比5.2%減少。新規求職者(季節調整値)は7,166人で前月比8.1%減少となった。有効求職者は2ヶ月連続、新規求職者は3ヶ月連続の減少となる。求職者の減少の原因は明確ではないが、昨年12月から今年1月にかけての記録的大雪による影響も考えられるという。
このような状況から、県内有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍で、前月(12月度)に比べて0.08ポイント上昇し、新規求人倍率(季節調整値)は2.11倍で前月比0.08ポイント上昇した。一方で、正社員の有効求人倍率(原数値)は1.16倍で、前年同月比で0.20ポイント低下し、14ヶ月連続で前年同月を下回る結果となった。
主な産業別の新規求人数の前年同月との差(原数値かつ新規学卒を除く)に目を向けると、建設業、製造業、運輸業、郵便業、卸売業・小売業、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉、サービス業などが減少した。特に、製造業の600人減と医療・福祉の547人減が目立つ。
鉱業・採石業、学術研究、教育・学習支援、公務その他(ワクチン接種に関連すると考えられる業務)に関する職業の新規求人数は増加しており、有効求人も増加し続けいているが、阿部局長は「ほとんどの業種ではマイナスとなっており、産業としては良い見通しが立ったと言いづらい」と、県内の雇用情勢への総評は1月度から据え置き、「求人が求職を上回って推移しているものの、求人の動きが弱く、引き続き新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響に十分注意する必要がある」と慎重な評価を下した。