元スクウェア・エニックス・ホールディングス理事の橋本真司氏による特別講演が開志専門職大学米山キャンパスで開催
NSGグループ学校法人 新潟総合学院 開志専門職大学(新潟市中央区)は24日、開志専門職大学米山キャンパス(新潟市中央区)内の情報学部講義「ユーザエクスペリエンス」にて、開志専門職大学の客員教授および株式会社フォワードワークス 取締役会長、元スクウェア・エニックス・ホールディングス理事 橋本真司氏による特別講演を開催した。また、橋本氏は1980年代の「ファミコンブーム」の時に「橋本名人」として、表舞台に立つなど、日本のゲーム業界の黎明期を支えた。
橋本氏は、開志専門職大学 客員教授。「ファイナルファンタジー」シリーズ、「キングダムハーツ」シリーズのブランドマネージャーなどを歴任。2018年以降、スクウェア・エニックス取締役、専務取締役、スクウェア・エニックス・ホールディングス理事を経て、2022年6月よりソニー・ミュージックエンタテインメントのシニアアドバイザー兼フォワードワークス取締役会長に就任。幼少期には新潟県での居住経験もあるという。
「ファイナルファンタジー」シリーズ、「キングダム ハーツ」シリーズなど、数々の人気タイトルにおけるブランドマネージャーなどを歴任してきた橋本氏。今回の特別講演では、開志専門職大学の学生および教職員に向けて、「世界的な激動下でのエンタメの可能性について」と題した特別講演を行った。
橋本氏は5月31日に長年勤めたスクエア・エニックスを定年退職。その後、6月16日に、ソニーエンターテインメントのシニアアドバイザーと、子会社であるフォワードワークスの取締役会長に就任したことを発表した。
特別講演では、「日本人は自分たちが思っている以上に海外からの評価が高い」という話題では、日本人の持つ「こだわり」「完成度」「独自性」を「匠の技」と称し、世界に向けてのビジネスの展開方法や、豊富な実体験から来る具体的な提案など、約85分に渡る講演を行った。
ほかにも、具体的な数字を用いたゲーム市場での戦略や、世界へと市場を伸ばした時に直面する言語の壁など、日本にとっての大きな産業であるゲーム業界のリアルを学生たちに向かい、熱心に伝えていた。
橋本氏は学生に向けて、「皆さんがこれから勉強してものにしていこうというものを、世の中に出す入り口がどんどん増えている。皆さんの努力次第で、皆さんの向上心次第で、世界の道は開く。学生時代が1番好きなことができる時間だ。有効な時間で、体力のあるうちに何かをできるチャンスがあるのは学生の時だけだ。だから大切にしてほしい」と語った。
講義後の橋本氏への質問では、大学生のうちにやるべきことを問われ、「将来何になりたいかということを考えてほしいと思う。個人が1から全部するには相当の才能が求められる。今できると思っている若さにおける24時間と30代、40代で働ける時間は違う。今できることを30代になってしようと思っても、体力的に厳しい。1日何をやってもいいから、ちゃんと考えてほしい。自分で考えてやってみてほしい」と語った。
橋本氏に講演の感想を聞くと、「デジタルエンターテインメントに興味のある人ばかりだったので、真面目に聞いてくれていた。色々な大学で講義をしているが、1時間25分、僕の話を寝ずに聞いてもらい、尚且つ、メモも取っていた。真面目な人たちだなと思った。これから(講演の参加者は)家に帰って、質問したいことに整理をつけると思う。また来るので、その時に質問を投げ掛けてほしい」と話した。
今後、新潟県にどういう風に関わりたいかを問うと、「新潟の中で、良いものを作るゲーム会社やアニメ会社ができてほしい。そういう企業が育ってほしいと思っている。ちょっとでもお手伝いができたらなと思う」と語った。