「ロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSN(ばいせん)」(新潟県三条市)でコーヒー豆の選別やコーヒーの試飲などをするイベントが開催
株式会社スタートライン(東京都)が展開する今年9月開設の「ロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSN(ばいせん)」(新潟県三条市)で26日、コーヒー豆の選別やコーヒーの試飲などをするイベントが行われた。当日は17人の市民などが参加した。
今回のイベントは、「ロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSN」の認知度向上と、働く障害者の体験入社などもかねて開催された。12月4日にも今回同様のイベントを開催する。
参加者は、カビが付いた豆などの欠点豆などをより分けるピッキングと呼ばれる焙煎される前の生豆を選別する作業や会場の建物見学、コーヒーの試飲などを講師から教わりながら体験した。また、参加者が選別した豆を機械で焙煎し、焙煎した豆をコーヒーミルで粉にして、スタートラインの従業員がハンドドリップで淹れた。コーヒーを試飲した参加者は、香りや味を楽しんでいた。
記者も淹れたてのコーヒーを試飲したが、口の中に香りとうま味が広がり、苦みはなく、まろやかな味わいだった。
家族4人で参加した三条市在住の男性は「イベントのチラシを見て来た。妻がカフェ関係の仕事をしていたこともあり、興味を持った。ピッキングは難しかったが、焙煎をしていた時の香りが強くてびっくりした」と話していた。
ロースタリー型障害者雇用支援サービス「BYSN」とは、スタートラインと提携を結んだ企業に提供するサービスで、障害者が福祉的就労ではなく、企業就労として珈琲の焙煎業務を行うもの。雇用先の企業は東京都や神奈川県の企業が多く、現在1社だが、来月12月には新たに2社、来年3月までに計7社が決まる予定だ。最終的には30社を目指している。
国では、ある一定数の従業員がいる企業は、障害者の国の法定雇用率が2.3%と定めており、企業側も雇用率を充足しなければならないという課題もあり、三条市と提携しているスタートラインは首都圏の企業を三条市に誘致するという点で、地方創生の観点からも貢献できるとしている。
コーヒー豆はブラジルやコロンビア産で、現地ですでに選別された最高級の豆を仕入れており、さらにハンドピックをすることでこだわりの美味しいコーヒーが作られるほか、電気式焙煎機を導入することで火傷の心配がなく、誰でも豆に合わせた焼き加減で焙煎する事ができるという。最終的に商品化されたコーヒーは、雇用先企業のノベルティなどに利用される。