新潟県糸魚川の地すべりで現地調査を実施、水抜きが急務
新潟県糸魚川市で4日未明に発生した地すべりに関して、新潟県や新潟大学などで構成する新潟県地すべり対策研究会災害対策部会は5日、糸魚川市来海沢で現地調査を行った。
この日は、産学官のプロフェッショナルが行政などに助言・指導するために結成する新潟県地すべり対策研究会災害対策部会のメンバー18人が現地調査を行い、その後、糸魚川地域振興局で非公開による会議を行った。
会議後の記者会見には、新潟県土木部砂防課地すべり係の渡邉尚史主査、新潟県農林水産部治山課技術管理・災害班の大塚文也主任、新潟大学災害・復興科学研究所の渡部直喜准教授、新潟大学農学部の稲葉一成准教授、土木研究所雪崩・地すべり研究センターの判田乾一センター所長が出席した。
大塚主任によると、現地視察では末端の住宅被害の確認に加えて、上部まで徒歩で行き、県道を埋めた土砂を確認した。また、今回の地すべりは水を含んでいるため、流動性が高いことが特徴であり、応急対策として水を抜くことが急務であるとの考えを示した。
現地調査後の会議では、昼間のカメラによる情報収集やドローンによる空中からの撮影が必要だという意見や、人家への被害を食い止めているブロックの効果はあるとの意見が出されたという。
一方、渡部准教授は「融雪が本番なので心配材料だ。残雪が消えるまでは本格的な調査は無理だが、出来ることはどんどんやる。水を抜けば速度が落ちるが、天候にも気を付けないといけない。雨も心配だ」と話した。また、判田センター長は「水はまだ注意が必要だ。水が増えると、どろどろして心配だ」と話した。
新潟県によると、避難勧告の解除は状況を見ながら糸魚川市と協議をして決定するとしており、必要があれば、再度現地調査を実施する考え。また、渡部准教授は発生原因について、「詳細は調査しないと分からない」と話した。
なお、糸魚川市では、直近では2017年10月の台風21号の豪雨による影響で、地すべりが起こっている。