新潟県が日本医科大学(東京都)に地域枠を設定、2023年度の新潟県地域枠は10大学70人に
新潟県と日本医科大学(東京都)は29日、同大学医学部に新潟県の地域枠を設定する協定を締結した。新潟県が地域枠を設定する大学は、2023年度入学分で10大学(地域枠最大70人)となる予定。
地域枠は、地方の医師不足への対策を目的とした制度。新潟県では、医学部卒業後に県内の指定された医療機関で9年間勤務することで、貸与する修学資金の返済が全額免除される。
これまで県内の新潟大学のほか、県外の6大学に地域枠を設定してきたが、2023年度入学からは日本医科大学、日本大学、北里大学にも地域枠を設定。これにより2023年度、新潟県の地域枠を設定する大学は10大学となり、地域枠の合計人数は今年度から17人増え最大70人となる。
提携式に出席した新潟県の花角英世知事は「新潟県は全国有数の医師少数県で、非常に厳しい医療環境にある。県民が安心して医療を受けられる持続可能な環境をつくることは県政の大きな課題。その中で、養成課程の入り口で医師を確保できる地域枠は効果的な仕組み。また、地域枠をきっかけに、学生に地域医療へ興味と志をもってもらえるよう、大学と連携していきたい」と語った。
日本医科大学の弦間昭彦学長は「日本医科大学の前身である済生学舎の創設者の長谷川泰は長岡出身で、新潟とは重要な縁がある。また、(新潟県の取り組みは)専門医の育成など、若い研修医の視点で考えている点が素晴らしい」と話した。
日本医科大学で設定する地域枠は2人。県は今後12月下旬以降に、日本大学と北里大学とも協定を結ぶ。