新潟県糸魚川市で地すべり避難者への説明会が開催、見舞金支給や公営住宅入居などについての説明も
新潟県糸魚川市で4日未明に発生した地すべりに関して、糸魚川市は9日夜、避難者説明会を避難場所となっている糸魚川市の温泉旅館「権現荘」で開いた。説明会では糸魚川市の米田徹市長や、糸魚川地域振興局の担当者、糸魚川市の担当者が避難者約20人に対して、スライドや図面を使って現在の災害現場の状況などを説明した。
糸魚川地域振興局の担当者は「現場では土建業者が24時間体制で市道の土砂の撤去作業を行っている。現地には約2メートルの雪があり、雪崩の危険性がある」と解説。一方会場の避難者からは、「早く家にかえりたいのが本音だ」という声が上がり、市の担当者に「いつまでに解除されるのか」という質問も出されたが、市の担当者はまだ見通しがつかないとして、明確な答えを避けた。
また、今後の対応として、糸魚川市の担当者が公営住宅への入居スケジュールや、見舞金の給付、保健師などによる健康確認訪問の実施について説明された。
公営住宅への入居については、9日に避難者を対象に3箇所の住宅見学を実施した。市によると、避難所の権現荘の利用は3月末までの予定となっているため、3月中旬から下旬までに入居できる体制を整えるという。なお、入居者には家賃、駐車場代の負担はない。
見舞金の給付については、被災した家屋の住人を対象に、全壊の場合は1世帯当たり10万円、半壊の場合は1世帯当たり5万円を市を支給する。また合わせて、避難しているすべての世帯を対象に1世帯当たり2万円支給する。なお、世帯員が2人以上の場合は2人目から、1人につき1万円加算する。11日から避難先などに市の担当者が直接届ける予定だ。
保健師などによる健康確認訪問については、11日と12日に被災した人全員を対象に保健師、看護師が福祉事務所職員とともに避難先へ戸別訪問や、権現荘での健康アンケートを実施する。
説明会後、米田市長は報道陣の取材に応え「まだ上部に沢山の雪を含んだ土砂があり、斜面がきついのでいったん動き出すとかなりのスピードで流下する危険性がある。避難解除は調査をした上で出すので、もうしばらく待ってもらいたい」と話した。
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