【妻有新聞】5階屋上に水田、津南の土で東京駅近く中央区・城東小学校 2016年交流「NPO雪の都GO雪共和国」、来春田植え

東京駅徒歩5分の城東小屋上に津南の土で屋上田を作る(GO雪共和国提供)

東京都心に、津南町の土を使って作った水田が復活する。津南町・栄村住民有志で構成するNPO雪の都GO雪共和国(相澤博文理事長)と、16年間交流が続く東京・中央区立城東小学校(小久保秀雄校長、172人)。このほど同小は商業ビル内の一角に作った新校舎に移転。5階は屋上菜園になっており、そのなかに津南の土10㌧余を運び込んだ「田んぼ」ができる。先月26日の竣工式に同NPOメンバーも出席。来春から本格稼働する屋上水田を実際に見て「来年5月に開田式をやろう」と盛り上がっている。

大雪により秋山郷が一時孤立した2006・平成18豪雪。この時、風評被害に苦しむ津南町・栄村の支援に名乗りを上げたのが東京都心の日本橋・八重洲の商店街有志。都心で両県と両町村が「豪雪反撃キャンペーン」を行うきっかけになった。その縁から東京駅徒歩5分の城東小に屋上田を作ることが決まり、翌2007年から屋上田がスタート。以来毎年、同NPOメンバー指導で屋上田で稲を栽培。新型コロナ禍で3年間中止したが、今回の新校舎完成を迎え、来年から水田交流が復活する。

アスファルトやコンクリで舗装され、ほぼ土が見えない東京都心にあるからこそ「本物の自然体験を子どもたちに」と、野菜作りなど取り組み、同区理数教育パイロット校指定も受ける同小。小久保校長は「前校舎でも行っていた屋上田。せっかくコメの名産地である津南町や栄村の方とずっと交流があり、都心の水田体験は学校の特色にもなっている。新校舎でもその思いを引き継ぎ、屋上田を継続する形になった」とさらなる交流への期待感を話す。

今回の田んぼの土は今年3月、津南町巻下の田んぼから10㌧余採取し、東京に運んだ。計画では来春5月頃に同NPOメンバーが最後の仕上げとなる田の土を運び込み、子どもたちの手で屋上田を完成させ、田植えを行う予定だ。相澤理事長(75歳)は「16年間の交流が再び都心の小学校に屋上田を作ることに繋がった。式典では中央区の平林治樹教育長が我々と城東小の繋がりを評価してくれた。中央区との付き合いは深く、物心色々な交流も考えられる。開田式はこちらの若手にも協力を仰ぎ行い、今後も長く付き合える環境を作りたい」と話している。

中央区立城東小関係者とGO雪共和国メンバー(GO雪共和国提供)

妻有新聞 2022(令和4)年12月3日号】

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